1.科学技術振興機構(JST)は、第5回「羽ばたく女性研究者賞」の受賞者を決定した。
2.最優秀賞はIntesa Sanpaolo AI Researchの黒木祐子氏。奨励賞2人、特別賞1人も選ばれた。
3.若手女性研究者の表彰は、研究分野におけるジェンダー格差とキャリア形成支援を考える材料になる。
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科学技術振興機構(JST)は2026年6月4日、第5回「羽ばたく女性研究者賞(マリア・スクウォドフスカ=キュリー賞)」の受賞者を決定し、駐日ポーランド共和国大使館で開いた授賞式で発表した。最優秀賞には、Intesa Sanpaolo AI Research(イタリア)のData & AI Researcher、黒木祐子氏が選ばれた。専門分野は情報科学で、不確実な状況で限られた観測から効率よく判断に近づく統計的機械学習を研究している。
奨励賞は2人。東北大学医学イノベーション研究所医学創生研究部講師の小林天美氏は、神経科学を専門とし、タウたんぱく質の凝集や広がりを分子レベルで解明する研究に取り組む。ダナ・ファーバーがん研究所がん免疫学・ウイルス学部門のHFSP博士研究員、山口そのみ氏は、ファージ生物学、構造生物学、生化学を専門とし、細胞内の小分子が防御反応を制御する仕組みを研究している。特別賞には、ノートルダム大学化学・生化学科アシスタントプロフェッサーの森本真里子氏が選ばれた。
同賞は、JSTが駐日ポーランド共和国大使館とともに2021年度に創設した表彰制度である。国際的な活躍が見込まれる日本の若手女性研究者を対象とし、博士後期課程や博士号取得後数年以内の時期にある研究者の飛躍を後押しする趣旨を持つ。第5回は2025年10月1日から12月10日まで応募を受け付け、外部有識者による選考委員会の審査を経て、最優秀賞1人、奨励賞2人、特別賞1人を決めた。
表彰内容は、日本電子株式会社(JEOL)の協賛により、最優秀賞に100万円、奨励賞に各50万円、特別賞に30万円の賞金を贈るもの。最優秀賞の黒木氏には、駐日ポーランド共和国大使館とポーランド科学アカデミーから、マリア・スクウォドフスカ=キュリーが生まれ育ったポーランドの研究機関などを訪問する機会も提供される。賞の名称は、若くして研究成果を挙げ、後にノーベル賞を受賞したマリア・スクウォドフスカ=キュリーにちなむ。
人権上の論点は、研究の世界における参加機会と評価機会の公平性である。女性研究者をめぐっては、進学、採用、任期、研究費獲得、国際共同研究、出産・育児などのライフイベントとの両立が、キャリア初期の段階で重なりやすい。個人の努力を顕彰するだけでは、研究環境そのものの課題は解消しないが、若手女性研究者の実績を可視化する表彰制度は、研究機関や企業が人材育成、評価、登用の在り方を見直す契機になり得る。
今回の受賞者は、情報科学、神経科学、構造生物学、化学生物学など、いずれも国際的な研究環境と接続しやすい分野で成果を重ねている。JSTは別に「輝く女性研究者賞〈ジュンアシダ賞〉」も実施しており、女性研究者の表彰を通じたロールモデルの提示を進めている。第5回「羽ばたく女性研究者賞」では、黒木祐子氏、小林天美氏、山口そのみ氏、森本真里子氏の研究とキャリアが、次世代の研究者に向けて紹介されることになる。
国立研究開発法人科学技術振興機構「第5回羽ばたく女性研究者賞(マリア・スクウォドフスカ=キュリー賞) 受賞者の決定」
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000164722.html

