香川県、ネット差別啓発を令和8年度重点課題に

この記事のポイント

1.香川県は令和8年度人権啓発事業の受託者を企画提案方式で公募している。
2.重点課題は「インターネット上での差別・誹謗中傷による人権侵害」。ポスター、動画、WEB・SNS広告、テレビCMを制作・放映する。
3.県政世論調査で「インターネットによる人権」への関心は令和6年度に47%となり、県は拡散行為への加担可能性も啓発の視点に掲げた。

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香川県は6月2日、令和8年度人権啓発事業の受託者を企画提案方式で公募すると公告した。委託者は香川県と香川県人権啓発推進会議で、契約候補者選定の事務は県が行う。委託期間は契約締結の日から令和9年1月29日まで。契約限度額は660万1,000円で、内訳は県420万9,000円、推進会議239万2,000円とされている。

令和8年度の重点課題は、「インターネット上での差別・誹謗中傷による人権侵害」。仕様書は、部落差別(同和問題)を含む差別や誹謗中傷など、他人の権利を侵害する被害が後を絶たないとしている。香川県県政世論調査では、県民の関心がある人権課題のうち「インターネットによる人権」は平成21年度から調査の都度増加し、令和6年度には47%に達し、各種人権課題の中で2番目に関心のある課題になったという。

事業内容は、キャッチコピーの作成、人権啓発ポスターの制作、チラシデータの作成、人権啓発動画の制作、WEB・SNS広告、テレビCM放映で構成される。ポスターはB2判縦カラー2,400部を制作し、県内約300か所、県外約10か所に配布する。動画は30秒以内で1本制作し、差別表現、誹謗中傷、プライバシー侵害、嫌がらせ行為を参考事例としてテーマを設定する。テレビCMは12月1日から少なくとも12月15日まで放送し、西日本放送、瀬戸内海放送、山陽放送、テレビせとうち、岡山放送の中から放送局を選ぶ。

仕様書で目を引くのは、投稿そのものだけでなく、SNS上の「共有」や「いいね」による拡散を啓発対象として明確に扱っている点である。香川県は、SNSでは情報発信を行う利用者が一部に限られる一方、他者の投稿を共有する行為は多くの利用者が日常的に行っていると説明する。そのうえで、加害の意図がなくても人権侵害に加担している可能性があり、「人権侵害を行っているのは自分自身かもしれない」という気づきを提案上の視点に掲げた。

制度面では、仕様書が「情報流通プラットフォーム対処法」にも触れている。同法は、誹謗中傷等のインターネット上の違法・有害情報に対処するため、大規模プラットフォーム事業者に削除対応の迅速化や実施状況等の公表を義務付けるものとして記載されている。行政啓発としては、事業者規制の周知に加え、投稿や拡散に関わる利用者側の行動を変えることが狙いになる。

応募意思表明書等の受付期間は6月2日から6月11日午後5時15分まで。応募資格要件の確認結果は6月15日までに通知され、企画提案書の提出期間は6月22日から7月1日まで。企画案審査会は7月15日に予定されている。香川県総務部人権・同和政策課は、香川県人権啓発推進会議とともに、12月の人権週間に向けたポスター、動画、WEB・SNS広告、テレビCMを通じ、インターネット上の差別・誹謗中傷を県民にどう伝えるかを審査する。

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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