1.NHK名古屋放送局は、6月のプライドマンスに向けて「多様な性のあり方」を考えるキャンペーンを実施している。
2.5月29日に総合テレビで特集番組を放送し、6月7日にはEテレで全国放送する。
3.LGBTQ+当事者の手紙や地域を舞台にしたラジオドラマを通じ、性の多様性と共生を考える内容となる。

NHK名古屋放送局は、6月の世界プライドマンスに向け、「多様な性のあり方」を中心に多様性の大切さを考えるキャンペーン「あなたでいてくれて ありがとう Thanks for being you!」を展開している。2026年で4年目となる企画で、LGBTQ+当事者が大切な人に手紙を贈るドキュメンタリーや、三重県の小さな町を舞台にしたラジオドラマなどを放送する。
中心となる特集番組は、東海ドまんなか!「“あなたでいてくれてありがとう”LGBTQ+」。総合テレビで5月29日午後7時30分から愛知・岐阜・三重・静岡向けに放送し、Eテレでは6月7日午前0時40分から全国放送する。インターネットサービス「NHK ONE」でも、放送後1週間の見逃し配信を行う。番組では、AAAの與真司郎さん、モデル・タレントの佐藤かよさん、元サッカー選手の下山田志帆さんらが、大切な相手に向けた手紙を通じて、それぞれの経験や支えられた関係を語る。
ミニ番組「あなたでいてくれてありがとう Thanks for being you! From●●」は、5月26日から29日にかけて総合テレビで放送する。出演者は與真司郎さん、村上愛梨さん、青山テルマさん、佐藤かよさん、下山田志帆さんら。短い番組枠の中で、当事者本人の語りと、手紙を受け取る側の反応を組み合わせる構成となっている。啓発番組であっても、制度説明や抽象的な呼びかけだけでは届きにくい層に対し、個人の言葉を通じて理解を促す狙いがある。
6月13日午後10時からは、NHK FMでFMシアター「にじいろの組みひも」を全国放送する。津放送局制作のラジオドラマで、ゲイであることを母親や職場の同僚に隠してきた35歳の主人公リュウタが、パートナーのケンイチと三重県の小さな町に移住する物語を描く。地域の人間関係、カミングアウトの葛藤、伝統工芸「組みひも」の職人との交流を通じ、地方で暮らす性的マイノリティの孤立や関係づくりを扱う内容である。
性の多様性をめぐっては、2023年6月に性的指向及びジェンダーアイデンティティ理解増進法が施行され、国や地方公共団体、事業主、学校に対し、理解増進に向けた取組が求められている。同法は差別禁止を直接罰則で担保する法律ではないが、性的指向やジェンダーアイデンティティに関する無理解が、学校、職場、家庭、地域での孤立や沈黙につながる点を制度上の課題として示した。放送キャンペーンは、法律や制度だけでは届きにくい生活上の感情や関係性を、番組表現によって可視化する試みといえる。
人権上の論点は、LGBTQ+の人々を「理解される対象」として一方的に描くのではなく、本人が誰に、どのような言葉で自分の経験を伝えるのかを尊重できるかにある。NHK名古屋放送局の今回の企画は、當事者の手紙、スタジオでの対話、地域を舞台にしたドラマを組み合わせ、性の多様性を日常生活の関係性の中で考える構成を取った。5月29日の特集番組と6月13日のFMシアターが、東海地方発の企画として全国放送にも接続される点は、地域放送が人権啓発を担う一例となる。
NHK|日本放送協会「NHK名古屋放送局『多様な性のあり方』を考えるキャンペーン 『あなたでいてくれて ありがとう』」
URL: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000062.000160617.html
参考:内閣府「性的指向・ジェンダーアイデンティティ理解増進」
URL: https://www8.cao.go.jp/rikaizoshin/index.html
参考:e-Gov法令検索「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」
URL: https://laws.e-gov.go.jp/law/505AC1000000068
