1.さいたま市は、埼玉県労働セミナー「事業者が知っておくべき 埼玉県カスタマーハラスメント防止条例」の動画公開を案内した。
2.動画は申込不要で、「条例の概要と国法との違い」「具体例と取組事例」「基本方針・対応マニュアル作成の手引き」を扱う。
3.埼玉県条例は2026年7月1日に施行され、国のカスハラ対策義務化に先行して、県内事業者の実務対応を促す内容となる。
埼玉県は、2026年7月1日に施行される「埼玉県カスタマーハラスメント防止条例」について、事業者や勤労者向けの労働セミナー動画を公開している。さいたま市は5月21日、市ホームページで周知したもの。動画は申込不要で視聴でき、「条例の概要と国法との違い」「カスハラの具体例と取組事例」「基本方針・対応マニュアル作成のための手引き」などを扱う。
セミナーでは、2026年7月1日に施行される埼玉県カスタマーハラスメント防止条例について、社会保険労務士が解説し、事業者が取るべき具体的な対応事例も紹介する。
埼玉県カスタマーハラスメント防止条例は、誰もが安心して働ける就業環境と、事業者が安定して事業活動を続けられる環境の構築を目的に制定された。さいたま市の周知ページでは、カスタマーハラスメントの定義として、顧客等による言動であること、社会通念上許容される範囲を超えていること、就業者の就業環境が害されることの三つを示している。
条例の特徴は、国の法制度より広く、顧客等、事業者、事業者団体、就業者を含めて、地域全体でカスハラ防止を進める構成にある。セミナーテキストでも、国法が主に事業主と労働者の関係を対象にするのに対し、埼玉県条例は個人事業主やボランティアを含め、幅広く働く人を守る内容と整理されている。
実務上の論点は、条例の理念を掲げるだけでなく、現場で使える基本方針と対応マニュアルを作れるかにある。埼玉県は、条例第6条第3項と第7条第3項に基づき、事業者と事業者団体がカスハラ防止への取組姿勢を示す基本方針を作成し、公表することを努力義務としている。あわせて、カスハラが発生したときに就業者が迷わず対応できるよう、内容や対処方法を定めたマニュアルを事前に整備し、すべての就業者に周知することが必要だとしている。
人権上の論点は、働く人の尊厳と安全を守りながら、顧客や利用者の正当な申出を妨げない線引きにある。条例の基本理念には、「何人もカスタマーハラスメントを行ってはならない」とする規定に加え、顧客等の社会通念上許容される範囲の要望の申出等が妨げられないよう配慮する考え方も含まれている。暴言や威圧、長時間拘束から就業者を守ることと、正当な苦情や改善要望を受け止めることを、事業者が同時に設計する必要がある。
さいたま市は、動画セミナーの公開にあわせ、問い合わせ先として埼玉県産業労働部雇用人材戦略課働き方改革推進担当を案内している。県は、基本方針や対応マニュアル作成を支援する手引き、チェックリスト、相談体制の例、対応フロー図なども公開しており、7月1日の条例施行前に、県内事業者が自社の顧客対応と就業者保護を点検する材料となる。

さいたま市
URL:https://www.city.saitama.lg.jp/001/005/006/p130792.html
出典 さいたま市「埼玉県カスタマーハラスメント防止条例が令和8年7月1日に施行されます」
URL:https://www.city.saitama.lg.jp/001/005/001/p128120.html
出典 埼玉県「埼玉県カスタマーハラスメント防止対策」
URL:https://www.pref.saitama.lg.jp/a0809/customerharassment/bousitaisaku.html

