1.埼玉県教育局は6月2日、東部地区の県立高校に勤務する57歳男性教諭を停職6月の懲戒処分とした。
2.県は、女子生徒への性的な発言を複数回行ったほか、生徒同士の接触をめぐる不適切な行為があったと説明している。
3.学校現場では、教職員の権限と生徒の立場の差を踏まえ、性的尊厳と安全な学習環境を守る対応が問われる。

埼玉県教育局は6月2日、東部地区の県立高等学校に勤務する57歳の男性教諭について、停職6月の懲戒処分を行った。県立学校人事課が同日付の報道発表資料で公表したもので、処分年月日は令和8年6月2日。発表資料では、処分対象となった職員の職名、年齢、性別、地域・校種、事案の概要が示されている。
埼玉県によると、当該職員は令和7年6月下旬から7月上旬までの間、午後5時から午後5時10分頃、教室内で女子生徒に対し、性的な発言を複数回行った。加えて、同年11月11日午後5時10分頃、教室内で生徒同士が話をしていた際、男子生徒の手首をつかみ、女子生徒の腕に男子生徒の手を触れさせようとしたが、誤って女子生徒の胸に手を押し当てさせたとしている。
学校における教職員の不適切な性的言動は、単なる服務規律違反にとどまらない。教室は、生徒が日常的に学び、評価を受け、進路や学校生活を左右される場であり、教員はその空間で強い権限を持つ。生徒がその場で拒否や抗議を示しにくい構造を考えると、性的な発言や身体接触を伴う行為は、学習環境の安全性と生徒の人格的尊厳を損なう問題として扱う必要がある。
制度面では、教職員による児童生徒への性暴力等をめぐり、令和3年に「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」が成立し、令和4年4月1日から施行されている。同法は、児童生徒等の尊厳を保持し、権利利益を擁護することを目的とし、定義、禁止、早期発見・対処、採用時のデータベース活用などを定めている。文部科学省も、児童生徒等を守り育てる立場にある教員が性暴力等を行うことは断じてあってはならないとしている。
今回の発表では、被害を受けた生徒への支援や校内での再発防止策の詳細までは記載されていない。懲戒処分の公表は、教育行政の説明責任の一部であるが、学校現場で必要になるのは、処分後の相談体制、教室内の死角や密室性の点検、教職員研修の具体化である。埼玉県教育局と県立学校人事課には、当該校に限定せず、県立学校における生徒の性的尊厳を守るための運用確認を積み重ねる対応が残る。
埼玉県「教職員の懲戒処分について」
URL:https://www.pref.saitama.lg.jp/f2207/news/page/news2026060201.html

