人種差別撤廃委員会、6か国審査で少数者差別を指摘

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反差別国際運動(IMADR)は5月12日、国連人種差別撤廃委員会(CERD)の第117会期が5月1日に終了したとして、会期中の審査、声明、一般的勧告の検討状況を整理した。第117会期は4月13日に始まり、ブルキナファソ、キューバ、キプロス、セルビア、スロベニア、ウズベキスタンの政府報告書を審査し、最終日に各国への総括所見を採択した。

今回の会期では、トンガの事前リスト・オブ・イシューが採択され、アルバニア、アルゼンチン、ブラジル、イタリア、カタール、トルクメニスタンのフォローアップ報告書も審査された。早期警戒・緊急行動手続きでは、イスラエルのテロリスト死刑法案、オーストラリアの先住民族の子どもに対する構造的差別、ニューカレドニア非自治地域の先住民族の政治参加に関する声明が出された。

総括所見の内容は、各国の国内制度と少数者の権利状況を横断している。ブルキナファソではフラニ族に対する重大な人権侵害や民族的プロファイリング、キューバではアフリカ系住民の貧困や周縁化、キプロスでは包括的反差別法の不在とトルコ語使用の制約が取り上げられた。セルビアではヘイトクライムやヘイトスピーチの過少通報、スロベニアではロマ・コミュニティへの警察権限拡大の影響、ウズベキスタンでは開発事業に伴う少数民族の強制退去が論点となった。

人種差別撤廃委員会の審査は、個別国の法制度だけでなく、行政運用、司法救済、市民社会の活動空間、教育や住宅、言語使用などを含めて、人種差別撤廃条約の履行状況を確認する手続きである。今回の整理で目立つのは、差別を直接禁じる法令の有無だけではなく、治安対策、開発政策、学校・医療・住宅へのアクセスが、民族的・世系的な少数者にどのような影響を及ぼしているかを問う点にある。

委員会では、大西洋奴隷貿易による歴史的不正義への賠償に関する一般的勧告40の草案をめぐる議論も続けられた。IMADRの整理によると、委員会は一般的勧告40の採択後、職業と世系に基づく差別、先住民族、スポーツにおけるレイシズムに関する一般的勧告の準備を始めることで合意した。2026年はダーバン宣言と行動計画から25年に当たり、次回会期は8月10日から25日まで、フィンランド、ホンジュラス、インド、クウェートを審査対象国として予定されているが、日程は確定していない。

出典

反差別国際運動(IMADR)
URL: https://imadr.net/cerd117closing/

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