1.難民支援協会は、難民認定を得た当事者への支援と、弁護士・法律実務家を対象とした難民認定手続の集中講義を報告した。
2.2025年の難民認定申請者は1万1,298人で、不認定処分などへの審査請求は7,702人に増加した。
3.難民認定では本国情報や迫害のおそれを法的に整理する必要があり、申請者が専門的な法的支援へアクセスできるかが手続保障に関わる。

認定NPO法人難民支援協会(JAR)は2026年8月、難民認定を受けた当事者への支援と、難民認定手続に関わる法律実務家を対象とした活動を報告した。同協会が支援してきたAさんは2026年1月に難民認定が確認された。個人を特定する国籍や具体的な認定理由などは明らかにしていない。同協会は2月には弁護士や法律実務家を対象とした集中講義も実施し、難民認定実務を担う専門家の拡大を図った。
難民認定手続では、申請者本人の供述に加えて、出身国の政治・社会状況、迫害主体、本人が置かれた事情などの資料を収集し、「人種、宗教、国籍、特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見」を理由とした迫害のおそれがあるかを判断する。言語や日本の制度に不慣れな申請者が、自分だけで必要な法的主張や証拠を整理することには限界がある。JARはプロボノ弁護士との連携を続けており、専門的な法的支援へのアクセスを支援活動の一つとしている。
出入国在留管理庁によると、2025年に日本で難民認定を申請した外国人は1万1,298人だった。同年に難民と認定された人は187人、補完的保護対象者として認定された人は474人、人道上の配慮を理由として在留を認められた人は525人で、合計1,186人が在留を認められた。不認定処分などに対する審査請求は7,702人となり、前年から4,426人、135.1%増えた。難民認定者数だけでなく、不認定後の不服申立てが大幅に増えている点も制度の運用を考える上で重要な数字になる。
UNHCRも、日本の難民認定制度では、不認定となった場合に審査請求を行うことができると案内している。審査請求が増加する状況では、申請者が制度を理解できる言語で説明を受けられるか、通訳を確保できるか、必要な証拠を収集できるか、弁護士など専門家へ相談できるかが手続の実効性に直結する。Aさんの難民認定という一つの結果を制度全体の評価に一般化することはできないが、難民支援協会による法律実務家向け研修は、難民条約上の保護が必要な人を個々の手続の中で適切に判断するための基盤づくりといえる。
難民支援協会「活動レポート」
URL:https://www.refugee.or.jp/report/activity/2026/08/post-21735/
出入国在留管理庁「令和7年における難民認定者数等について」
URL:https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/07_00058.html?lang=eu
UNHCR駐日事務所「日本の難民認定手続」
URL:https://www.unhcr.org/jp/j-protection
