福岡県、教諭3人を懲戒 性暴力2件で2人免職

この記事のポイント

1.福岡県教育委員会が教諭3人を懲戒し、盗撮と生徒へのわいせつ行為の2人を免職
2.27歳教諭は不起訴となった一方、少なくとも10回以上の盗撮を認め、県教委が懲戒事由と判断
3.刑事処分と公務員の懲戒は別制度で、学校内の性暴力では被害者保護や再発防止体制も検証対象

懲戒処分のイメージ図

福岡県教育委員会は2026年8月26日付で、市町村立学校と県立学校の教諭3人を懲戒処分とした。処分は免職2人、停職12月1人。27歳の久留米市内中学校教諭は、3月26日にうきは市内の店舗で女性のスカート内をスマートフォンで撮影したほか、2025年4月から逮捕される2026年4月までに少なくとも10回以上、商業施設で同様の盗撮をしたことを認めた。4月27日に性的姿態等撮影の容疑で逮捕され、7月23日付で不起訴となったが、県教委は地方公務員法29条1項の懲戒事由に該当すると判断し、免職とした。

不起訴と懲戒処分は同じ判断ではない。刑事手続では検察が起訴するかどうかを決めるのに対し、地方公務員の懲戒は、法令違反や職務上の義務違反、全体の奉仕者たるにふさわしくない非行があったかを任命権者が判断する制度である。今回、県教委が公表した資料では、不起訴となった事実を明記したうえで、本人が繰り返しの盗撮行為を認めたことを処分理由に含めた。刑事事件の結論だけを見て「処分できない」と理解するのは制度上適切ではない。

別の30歳代の中学校教諭は、2025年8月頃から2026年2月初旬まで、自校の生徒にわいせつな行為をしたとして免職となった。教員と児童生徒との間には、成績評価や指導を担う立場による大きな力の差がある。2022年4月施行の「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」は、教育職員による児童生徒性暴力等を禁じ、早期発見や被害児童生徒の保護・支援、免許失効者等に関する情報の活用を定めている。学校内の性暴力は、個人への処分だけでなく、相談経路や被害申告後の保護が機能したかまで確認する必要がある。

県立高校の30歳代教諭は、4月24日夜にビール3、4杯とハイボール4、5杯を飲み、徒歩で約55分移動した後、レンタル自転車を約3分運転した。呼気から1リットル当たり0.5ミリグラムのアルコールが検出され、酒気帯び運転の疑いで検挙され、停職12月となった。自転車も道路交通法上の車両であり、飲酒後の運転を軽く扱えないことを示す処分でもある。

3件は、盗撮、生徒への性暴力、飲酒後の自転車運転と内容が異なるが、いずれも地方公務員法29条1項を根拠に処分された。とりわけ性被害を伴う2件では、懲戒の重さだけで再発防止を評価することはできない。福岡県教育委員会が、教職員研修、相談・通報経路、被害を受けた児童生徒への支援、採用時を含む情報確認をどのように運用しているかが、その後の検証事項となる。

出典

福岡県「市町村立学校教職員及び県立学校教職員の懲戒処分」
URL: https://www.pref.fukuoka.lg.jp/press-release/8-5chokai.html

福岡県「市町村立学校教職員の懲戒処分」〔盗撮事案〕
URL: https://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/attachment/296125.pdf

福岡県「市町村立学校教職員の懲戒処分」〔生徒へのわいせつ行為〕
URL: https://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/attachment/296126.pdf

福岡県「県立学校教職員の懲戒処分」
URL: https://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/attachment/296127.pdf

文部科学省「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等について」
URL: 文部科学省・教員による児童生徒性暴力等の防止

人権ニュース編集部

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