精神・発達障害者の67.3%に休職経験 復職後の合理的配慮を調査

この記事のポイント

1.パーソルダイバースが精神障害・発達障害のある300人を調査し、67.3%が現在または過去の職場で休職経験があると回答した。
2.休職経験者の65.4%は障害を職場に開示していたが、27.7%は「開示したいが開示していない」と回答した。
3.復職後の合理的配慮だけでなく、障害を開示するかどうかを本人が判断できる環境と、復職後の定着を支える仕組みが雇用実務の課題となる。

【実態調査】精神障害・発達障害のある方の休職経験者は約7割合理的配慮が「はたらき続けやすい職場」の鍵に

パーソルダイバース株式会社は2026年8月18日、精神障害または発達障害のある300人を対象とした「就業に関する調査Vol.2」の結果を公表した。現在または過去の職場で休職した経験がある人は67.3%だった。休職経験者の職場復帰時期では「3カ月以内」が29.7%で最も多く、7割超が半年以内に復職していた。他方、約2割は1年以上の長期休職や転職を経験したとしている。

復職後に職場から示された対応では、「業務に関する具体的な配慮・提案」が26.3%、「はたらき方に関する具体的な配慮・提案」が24%だった。休職経験者に障害の開示状況を尋ねると、「開示している」が65.4%、「開示したいと思っているが開示していない」が27.7%、「開示するつもりはない」が6.9%だった。復職を支える制度を考える際には、業務量や勤務方法を調整する仕組みだけでなく、障害を開示することへの不安が残っている点を切り離さずに見る必要がある。

雇用分野の合理的配慮は、障害者差別解消法ではなく障害者雇用促進法の枠組みで扱われる。厚生労働省は、事業主に対し、過重な負担にならない範囲で障害のある労働者に合理的配慮を提供することを義務付けている。必要な配慮は障害名だけで一律に決めるものではなく、本人が業務上どのような支障を感じているかを確認し、仕事の内容や勤務環境と調整する手続が必要になる。

ここで今回の67.3%を「精神・発達障害のある労働者全体の休職率」と読むことはできない。調査は300人の回答を集計した民間調査であり、全国の該当労働者全体を示す公的統計とは性格が異なる。合理的配慮や障害への理解がある職場ほど働きやすさや就業継続意向が高いという結果についても、配慮が継続就業を直接生じさせたことまで証明するものではない。本人の状態、職務、雇用形態、休職期間など複数の条件が関係し得るため、相関と因果を区別して読む必要がある。

それでも、「開示したいが開示していない」が27.7%存在したことは、合理的配慮を制度として用意するだけでは利用につながらない場合があることを示す。必要な情報を誰に、どの範囲まで伝えるのか、相談したことで配置や評価に不利益が生じないかという不安を含め、休職前、休職中、復職後を連続した雇用管理として扱う必要がある。厚生労働省はハローワークや地域障害者職業センター、ジョブコーチなどによる職場定着支援も実施しており、企業内の合理的配慮と外部支援を組み合わせることも可能だ。

パーソルダイバースの今回の調査は、復職したかどうかだけでなく、その後にどのような配慮が示されたかを調べた点に特徴がある。今後、復職後の勤続期間や配慮内容の変更、障害開示の有無と定着状況を継続して確認できれば、67.3%という休職経験の数字を、企業の具体的な就労継続策へつなげて評価しやすくなる。

出典

パーソルダイバース株式会社「精神障害・発達障害のある方の就業に関する調査Vol.2」
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000125.000082189.html

厚生労働省「雇用分野における障害者への差別禁止・合理的配慮」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/shougaisha_h25/index.html

人権ニュース編集部

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