1.荒川区は10月7日、東京労働局の芥川陸也氏を講師に、職場の言葉や関係性からハラスメント予防を考える講座を開催する。
2.2026年10月1日には改正労働施策総合推進法などが施行され、事業主にカスタマーハラスメント対策などが新たに義務付けられる。
3.不快に感じた言動のすべてが法律上のパワーハラスメントになるわけではなく、予防と法的判断を分けて理解することが職場運営には必要となる。

荒川区は2026年10月7日午後1時30分から3時まで、荒川区立男女平等推進センター「アクト21」で男女共同参画推進講座「職場での言葉と関係性のモヤモヤ~ハラスメントを防ぐヒント~」を開く。講師は東京労働局雇用環境・均等部指導課の芥川陸也・雇用環境改善・均等推進指導官。会場25人、Zoom30人を受け付け、発生後の対応より前の段階で「起こさない職場」を考える内容とする。
10月1日に企業の防止義務が拡張
講座開催の6日前となる10月1日には、2025年改正の労働施策総合推進法などが施行される。従来の職場のパワーハラスメント、セクシュアルハラスメントなどに加え、顧客等からの著しい迷惑行為であるカスタマーハラスメントへの防止措置や、求職者等へのセクシュアルハラスメント対策が事業主の義務となる。相談体制、方針の周知、発生後の対応を企業の自主性だけに委ねない制度へ変わる。
ただし、荒川区の講座ページはカスタマーハラスメントを専門テーマとして掲げているわけではない。制度改正直後という開催時期を踏まえれば、企業や労働者が職場内のコミュニケーションと雇用管理を見直す機会として捉えるのが適切である。
「モヤモヤ」と法的なパワハラは同じではない
職場のパワーハラスメントは、優越的な関係を背景とする言動で、業務上必要かつ相当な範囲を超え、労働者の就業環境を害するという要素から判断される。厳しい指導や意見の相違が直ちにパワーハラスメントになるわけではない。しかし、法的要件に達する前の小さな違和感を放置すれば、人間関係の悪化や相談しにくい職場風土につながることがある。荒川区が「モヤモヤ」を入口に据えたのは、予防段階と法的判断を区別しながら扱えるテーマ設定といえる。
講座後の実務では、管理職が注意深く話すだけでは足りない。相談窓口、相談者への不利益取扱いの防止、プライバシー保護、事実確認、行為者への対応など、組織としての仕組みが必要になる。10月1日の制度改正と10月7日の荒川区講座を結び付け、参加企業や労働者が実際の就業規則や相談体制を見直せるかが、この講座を単発の啓発で終わらせないためのポイントとなる。
荒川区「職場での言葉と関係性のモヤモヤ~ハラスメントを防ぐヒント~」
URL: https://www.city.arakawa.tokyo.jp/a001/seikatsu/jinkendanjo/jinken/dannjyo.html
厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」
URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/
パワーハラスメント
URL: https://jinken-news.com/glossary/power-harassment/
労働施策総合推進法
URL: https://jinken-news.com/glossary/roudou-shisaku-sogo-suishin-hou/

