犯罪被害者週間を31日間に拡大 警察庁、2026年から「犯罪被害者月間」

スポンサーリンク
スポンサーリンク
この記事のポイント

1.警察庁は2026年11月1日から12月1日まで、初めての「犯罪被害者月間」を実施する。
2.従来の「犯罪被害者週間」を7日間から31日間に拡大するもので、2026年3月17日閣議決定の第5次犯罪被害者等基本計画に基づく。
3.犯罪被害者への理解促進に加え、経済的支援、心身の回復、二次的被害の防止、生活再建の支援制度を利用しやすくすることが課題となる。

警察庁の犯罪被害者月間

2005年開始の週間から月間へ

警察庁は2026年11月1日から12月1日までを「犯罪被害者月間」とし、全国で広報啓発活動を展開する。従来は11月25日から12月1日までの7日間を「犯罪被害者週間」としていたが、2026年から31日間に拡大する。犯罪被害者週間は2005年12月に閣議決定された第1次犯罪被害者等基本計画で定められ、20年以上にわたり実施されてきた。

警察庁は11月2日に羽田空港第1旅客ターミナルでオープニングイベントを開催する。11月9日には東京都千代田区の有楽町朝日ホールで「こころをつなぐ国民イベント2026」を開き、犯罪被害者とグリーフケアをテーマとする基調講演などを予定している。

第5次基本計画と犯罪被害者支援

月間化は、2026年3月17日に閣議決定された第5次犯罪被害者等基本計画に盛り込まれた。2026年度から2030年度までの5年間を対象とする同計画は、損害回復と経済的支援、精神的・身体的被害からの回復、刑事手続への関与、支援体制の整備、国民の理解促進を重点課題としている。

犯罪被害者等基本法は、犯罪被害を受けた本人だけでなく、家族や遺族も支援の対象としている。ただし、犯罪被害給付制度などの個別制度にはそれぞれ支給要件があり、すべての被害者が同じ支援を受けられるわけではない。

刑事手続が終わっても生活上の負担は続く

犯罪被害者が直面する課題は、加害者の逮捕や刑事裁判だけではない。被害によって仕事を続けられなくなったり、転居が必要になったり、家族が介護や養育を担うことになったりする場合がある。犯罪被害給付制度は一定の重大な被害に対して給付金を支給するが、犯罪によるすべての損失を補償するものではない。

制度利用に際しては、被害を受けた人が自ら必要な窓口を探し、複数の機関へ事情を説明しなければならない負担も生じる。行政、警察、医療機関、法律専門職、民間支援団体が適切に連携できるかが、生活再建の実効性に関わる。

二次的被害を減らすには

犯罪そのものによる被害に加え、被害後に周囲から責められたり、個人情報を広められたりする二次的被害も問題となる。SNS上の憶測や、支援機関で同じ説明を何度も求められることが、本人の心理的負担を増やす場合もある。

犯罪被害者月間は、これらの問題を広く知ってもらう機会となる。しかし、イベント参加者数や啓発物の配布数だけでは、被害者の生活が改善したかどうかは分からない。警察庁が2026年から始める月間事業についても、相談先の認知度に加え、適切な支援制度への接続や、相談後の継続的な支援の状況を検証することが、制度変更の成果を測る材料となる。

出典

警察庁「犯罪被害者月間」
URL:https://www.npa.go.jp/hanzaihigai/koukei/week.html

警察庁「犯罪被害者等基本計画」 URL:https://www.npa.go.jp/hanzaihigai/shiryou/keikaku/index.html

警察庁「第5次犯罪被害者等基本計画」 URL:https://www.npa.go.jp/hanzaihigai/kihon_keikaku/5th_bp.pdf

スポンサーリンク
スポンサーリンク
人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、裁判所、企業、公益団体、国際機関などが公表する一次情報を確認し、差別、子ども、障害者、高齢者、教育、福祉、司法・制度、外国人、ビジネスと人権などに関するニュース、制度解説、独自調査を発信しています。記事では出典を明示し、事実関係を確認したうえで、関連する法制度や統計、過去の経緯などを参照しながら、人権上の論点や社会的背景を整理しています。

人権ニュース編集部をフォローする
司法・制度福祉
シェアする
タイトルとURLをコピーしました