千葉県、教員3人を懲戒処分 生徒への性暴力とSNS規制の実効性が課題

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この記事のポイント

1.千葉県教育委員会は10月9日、教員3人の懲戒処分を公表し、自校の女子生徒に性暴力を行った女性教諭を免職とした。
2.千葉県は2026年6月に懲戒処分指針を改正し、管理職の許可を得た職務上必要な場合を除き、児童生徒とのSNSによるやり取りを非違行為として明文化した。
3.2026年12月25日にはこども性暴力防止法が施行される。採用段階の確認に加え、在職中の不適切な接触の発見と被害生徒の保護が課題となる。

懲戒処分のイメージ図

生徒への性暴力で免職、盗撮で停職6か月

千葉県教育委員会は2026年10月9日、公立中学校の30歳代の女性教諭を免職、県立薬園台高等学校の31歳の男性教諭を停職6か月とする懲戒処分を決定した。県立市川工業高等学校の65歳の男性臨時的任用教諭についても、9月30日付で減給10分の1、1か月の処分としたことを報告した。いずれも地方公務員法第29条第1項に基づく処分である。

女性教諭は2025年11月から自校の女子生徒とSNSで私的なやり取りを始め、2026年1月から7月まで児童生徒性暴力等を行った。7月上旬に県教委へ匿名の相談メールが届き、校長が確認したことで発覚した。薬園台高校の男性教諭は近隣住民宅の玄関ポストを通じた盗撮行為を行い、市川工業高校の臨時的任用教諭は勤務時間中に校務用パソコンでわいせつな内容を含む業務外動画を繰り返し閲覧していた。

3件は服務規律に反するという点で共通するものの、侵害される利益は異なる。生徒への性暴力は教員と生徒の権力差や信頼関係を背景とする問題であり、盗撮は性的なプライバシーの侵害に関わる。公用パソコンの不適切利用は職務専念義務や機器の管理が中心となる。再発防止策もそれぞれ分けて考える必要がある。

7月適用の改正指針と発覚経路

県教委は6月10日、懲戒処分指針を改正した。職務上関係のある児童生徒とのSNS等によるやり取りについて、私的な連絡か職務上の連絡かを問わず非違行為とし、職務上必要で管理職の許可がある場合だけ例外を認めた。児童生徒性暴力等を知りながら管理職への通報など適切な措置を取らなかった場合の処分基準も新設し、7月1日以降に発生した事案から適用することとした。

今回の女性教諭の行為は改正前から始まり、改正後の7月まで続いていた。ただし、公表資料だけでは処分に適用された具体的な指針の条項は特定できない。重要なのは、禁止規定の明文化と実際の事案発見を区別することである。今回の発覚は匿名メールを端緒としており、学校が日常的な監督を通じて不適切な接触を把握できていたかは明らかでない。

全国統計と新法施行

文部科学省の2024年度調査では、全国の公立学校で性犯罪・性暴力等により懲戒処分または訓告等を受けた教育職員は281人だった。このうち児童生徒性暴力等による懲戒処分者は134人で、前年度の157人から減少した。ただし、処分者数は確認・処分された人数であり、発生した性暴力の総数を示すものではない。

2026年12月25日には、こども性暴力防止法が施行される。同法は学校や保育施設などに、児童対象性暴力等を防ぐための体制整備や、対象業務に従事する人の一定の性犯罪歴の確認などを求める。既に運用されている教員性暴力等防止法による免許失効者等の情報管理と併せて、複数の制度が子どもの安全を支えることになる。

しかし、採用時の犯罪歴確認だけでは、採用後に始まる不適切な接触は発見できない。千葉県教育委員会が各学校に指示した校内研修や服務指導に加え、SNS利用の例外承認、匿名通報後の事実確認、被害生徒の安全確保と学習継続支援をどのように実施するかが、改正指針の効果を検証する材料となる。

出典

千葉県教育委員会「教職員の懲戒処分について(令和8年10月9日)」 URL:https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/syokuin/press/2026/shobun20261009.html

千葉県教育委員会「懲戒処分の指針の一部改正について(令和8年6月10日)」 URL:https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/syokuin/jinji/shobun/shishinkai20260610.html

文部科学省「令和6年度公立学校教職員の人事行政状況調査について」 URL:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/jinji/1411820_00009.htm

文部科学省「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等について」 URL:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoin/mext_00001.html

こども家庭庁「こども性暴力防止法」
URL:https://www.cfa.go.jp/policies/child-safety/efforts/koseibouhou

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人権ニュース編集部

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