次期学習指導要領に「子どもの権利」「子どもの参加」を ACEなどが文科省へ要望、子どもの声を反映

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この記事のポイント

① ACEが共同事務局を務めるキャンペーンは、次期学習指導要領に「子どもの権利」「子どもの参加」を明確に位置づけるよう文部科学省へ要望した。
② 要望書には、小学生から高校生を対象に実施したアンケートの意見も反映された。
③ こども基本法第11条は、国や自治体にこども施策への子どもの意見反映措置を義務づけており、学校で子どもを「権利の主体」として扱うことが今後の論点となる。

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1.次期学習指導要領をめぐり文科省へ要望

国際協力NGO・ACEが共同事務局を務める「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」は2026年8月5日、次期学習指導要領の改訂に関する要望書を文部科学省に提出しました。

同キャンペーンは6月にも要望書を提出しており、今回はその内容に小学生から高校生を対象としたアンケート結果などを加えた最終版としています。

2.要望は「総則」「教員養成」「特別活動」「道徳」

要望の対象は、主に、

総則、

教員養成、

特別活動、

道徳

の4分野です。

中心にあるのは、子どもを単なる「教育を受ける側」としてではなく、権利を持つ主体として位置づけることです。

学校生活の中で子ども自身が権利を学び、自分の意見を表明し、学校づくりなどに参加する経験を積めるようにすることを求めています。

3.こども基本法は「意見反映」を義務化

この要望を理解するうえで重要なのが、2023年4月に施行された「こども基本法」です。

こども基本法は基本理念として、すべての子どもについて、年齢や発達の程度に応じて自分に直接関係する事項について意見を表明する機会が確保されること、その意見が尊重されることを掲げています。

さらに第11条は、国や地方公共団体がこども施策を策定、実施、評価する場合、対象となる子どもなどの意見を反映させるために必要な措置を講じるよう義務づけています。

つまり、子どもの意見を聞くことは、単なる行政側の「善意」に任せる考え方から、制度的に保障する方向へ変化しています。

4.子どもの権利条約第12条「意見表明権」

国際的な基礎となっているのが「児童の権利に関する条約」、いわゆる子どもの権利条約です。

第12条は、自分に影響するすべての事項について、子どもが自由に意見を表明する権利を保障し、その意見が年齢や成熟度に応じて相応に考慮されることを求めています。

重要なのは、

「子どもに何でも決めさせる」

という制度ではない点です。

子どもが意見を表明する機会を持ち、大人がその意見を真剣に検討し、最終的な判断を行うというプロセスの保障です。

5.校則、行事、学校生活にもつながる問題

学校には、子どもの生活に大きな影響を与えるさまざまなルールがあります。

校則。

制服。

学校行事。

児童会・生徒会活動。

学校生活上の決まり。

これらについて、子どもの意見をどこまで聞き、どのように反映するのかは「子どもの参加」を具体化する場面の一つです。

今回のキャンペーン側の報告では、文部科学省との意見交換において、特別活動の中で子どもが学校生活やルールづくりの主体となる考え方などについても議論されたとされています。

6.「要望」と「決定」を混同しない

一方、今回の記事で注意すべきなのは、現段階では民間団体から文部科学省への要望であることです。

ACEなどが求める内容が、そのまま次期学習指導要領に採用されることが決定したわけではありません。

今後の審議を通じて、どのような表現が盛り込まれるかを確認する必要があります。

7.教員研修も不可欠

子どもの参加を学習指導要領に記載したとしても、それだけで学校が変わるわけではありません。

例えば子ども同士の意見が対立した場合、教師がどのように調整するのか。

子どもの提案が採用できなかった場合、理由をどう説明するのか。

声の大きな子どもだけではなく、意見を表明することが苦手な子どもの声をどう拾うのか。

こうした実践には、教員側の知識と経験も必要です。

子どもの権利を「教える内容」にするだけではなく、学校そのものを子どもの権利を経験できる場所にできるかが、今後の論点となります。

関連用語

子どもの意見表明権
自分に関係する事項について意見を表明し、その意見が年齢や成熟度に応じて考慮される権利。

こども基本法
2023年施行。日本のこども施策の基本理念や国・自治体の責務などを定める法律。

子どもの権利条約
1989年に国連総会で採択。日本は1994年に批准。生存、発達、保護、参加など子どもの権利を包括的に定める。

学習指導要領
全国の学校で教育課程を編成する際の基準として文部科学省が定めるもの。

出典

ACE「【開催報告】子どもの声を次期学習指導要領へ――『子どもの権利』と『子どもの参加』を学校教育に位置づけるため、文部科学省へ要望書を提出」
https://acejapan.org/info/2026/09/356629

広げよう!子どもの権利条約キャンペーン「次期学習指導要領改訂に関する要望」
https://crc-campaignjapan.org/report/report-20260910/

e-Gov法令検索「こども基本法」
https://laws.e-gov.go.jp/document?lawid=504AC1000000077

こども家庭庁「こども基本法に基づくこども施策の策定等へのこどもの意見の反映について」
https://www.cfa.go.jp/laws/kodomo-kihon-iken

日本ユニセフ協会「子どもの権利条約全文」
https://www.unicef.or.jp/about_unicef/about_rig_all.html

日本ユニセフ協会「子どもの権利条約 子ども向け」
https://www.unicef.or.jp/crc/childfriendly-text/

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人権ニュース編集部

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