1.沖縄県は台風13号の接近に伴い、8月6日午後11時から「おきなわ子ども虐待ホットライン」の業務を停止した。
2.県は緊急の場合は110番への通報を案内し、暴風警報解除後にホットラインを再開するとしている。
3.全国共通の189も管轄児童相談所へ転送する仕組みであり、災害時に通常の相談機能が停止した場合の代替経路を平時から明確にする必要がある。

沖縄県は台風13号の接近に伴い、8月6日午後11時から「おきなわ子ども虐待ホットライン」の業務を停止した。中央児童相談所が8月6日に掲載した案内では、緊急の場合は110番へ通報するよう呼びかけ、ホットラインでの相談は暴風警報解除後に再開するとしている。8月7日の取得時点で掲載ページには再開時刻の記載はなく、「業務を停止しています」と案内されている。
児童虐待の相談・通告には全国共通の児童相談所虐待対応ダイヤル「189」もある。189は無料で、匿名でも利用できる。ただし、2025年12月22日以降の仕組みでは、電話はいったんコールセンターにつながり、オペレーターが居住地域を確認した上で、管轄する児童相談所へ転送する。したがって、189は全国で相談を完結する独立センターではなく、最終的には地域の児童相談所につなぐ入口である。地域側の相談機能が災害などで影響を受けている場合、「189があるから地域窓口の停止を完全に代替できる」とは限らない。
今回の沖縄県の告知では、生命・身体への危険が切迫するケースには110番という経路が明確に示されている。これに対し、直ちに警察の緊急対応を必要とする段階ではないものの、家庭内の状況についてその時点で相談したいケースが、停止時間中にどの経路を利用できるのかまではページ上で説明されていない。虐待対応では、緊急保護と相談・支援は重なりながらも機能が異なる。災害から相談員の安全を確保することと、子どもや保護者からの相談アクセスを維持することを別々の課題として設計する必要がある。
相談窓口の災害対応を検証する際には、窓口を停止したことだけを問題視するのも適切ではない。暴風下で職員を出勤させれば、相談員自身の安全が損なわれる可能性がある。問われるのは、停止を前提とした代替手段、関係機関との連携、再開情報の更新をあらかじめ準備しているかである。「おきなわ子ども虐待ホットライン」の再開後には、停止中の相談をどのように引き継ぐかも実務上の論点となる。沖縄県中央児童相談所の今回の対応は、台風常襲地域における子どもの相談アクセスの冗長性を考える具体例となっている。
沖縄県「台風接近に伴う『おきなわこども虐待ホットライン』の業務停止」
URL:https://www.pref.okinawa.lg.jp/kyoiku/jido/1007997/1008002/1024136/1041042.html
こども家庭庁「児童相談所虐待対応ダイヤル『189』について」
URL:https://www.cfa.go.jp/policies/jidougyakutai/gyakutai-taiou-dial/
児童虐待
URL:https://jinken-news.com/glossary/child-abuse/
児童相談所虐待対応ダイヤル189
URL:https://jinken-news.com/glossary/child-abuse-hotline-189/

