奈良県、9月を高齢者保健福祉月間 人権・認知症・防災を6目標

この記事のポイント

1.奈良県は9月1日から30日までを「老人の日・高齢者保健福祉月間」とし、健康長寿と地域共生社会をテーマに啓発を行う。
2.安全な地域生活、就労・社会参加、健康づくり、人権・認知症支援、多世代交流、防災の6分野を目標に掲げた。
3.国の推計では2040年に認知症の高齢者が約584万人となる見通しで、高齢者施策は介護だけでなく意思決定、社会参加、防災まで含む課題となる。

奈良県のサムネイル

奈良県は2026年9月1日から30日まで、「老人の日・高齢者保健福祉月間」を実施する。標語は「みんなで築こう、健康長寿と地域共生社会」。奈良県、奈良県社会福祉協議会、奈良県老人クラブ連合会が主体となり、高齢者が安心して暮らせる地域づくり、就労や社会活動への参加、健康づくり、認知症への理解、防災などについて県民への啓発を進める。

県が掲げる目標は6分野に及ぶ。高齢者が安心して暮らせる地域づくり、就労・社会参加、健康づくりと介護予防、高齢者の人権尊重と認知症への支援、世代間交流、災害に備えた地域づくりである。全国では老人福祉法に基づき9月15日を「老人の日」、15日から21日までを「老人週間」としている。9月は認知症基本法に基づく「認知症月間」でもあり、高齢者施策と認知症施策を同じ時期に地域へ周知する構成となる。

国の認知症施策推進基本計画では、2022年時点の認知症の高齢者は約443万人、軽度認知障害(MCI)の高齢者は約559万人と推計された。2040年には認知症が約584万人、MCIが約613万人になるとの推計が示されている。人数の増加だけを高齢社会の問題として捉えるのではなく、認知症になった後も本人が意思を示し、生活する場所や支援について選択し、地域活動へ参加できる環境を整えることが認知症基本法と国の基本計画の方向となっている。

奈良県の6目標に「人権」と「防災」が入っている点は、高齢者福祉を介護サービスだけに限定していないことを示す。高齢者は災害時の避難、消費者被害、孤立、認知症を理由とした行動制限など、複数の問題に直面する可能性がある。国連高齢者原則も、高齢者の自立、参加、ケア、自己実現、尊厳という原則を掲げている。奈良県、県社会福祉協議会、県老人クラブ連合会による9月の取組についても、啓発行事の回数だけでなく、高齢者本人の社会参加、相談への接続、災害時の支援体制にどのようにつながったかを確認することが、月間事業を評価する材料になる。

出典

奈良県「老人の日・高齢者保健福祉月間」
URL:https://www.pref.nara.lg.jp/n067/p015045.html

厚生労働省「年間行事予定」URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou_kouhou/gyouji_kaigi/2026/nenkan.html

厚生労働省「認知症施策」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/ninchi/index.html

厚生労働省「認知症施策推進基本計画」
URL:https://www.mhlw.go.jp/content/001344090.pdf

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、裁判所、企業、公益団体、国際機関などが公表する一次情報を確認し、差別、子ども、障害者、高齢者、教育、福祉、司法・制度、外国人、ビジネスと人権などに関するニュース、制度解説、独自調査を発信しています。記事では出典を明示し、事実関係を確認したうえで、関連する法制度や統計、過去の経緯などを参照しながら、人権上の論点や社会的背景を整理しています。

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