1.横浜市の令和7年度児童虐待対応件数は1万4180件で、前年度比759件増、過去最大となった。
2.児童相談所の対応が1万181件で全体の71.8%を占め、区役所対応は3999件だった。
3.相談種別では心理的虐待が7863件、55.5%で最多。警察等からの通告は5387件に増えた。

横浜市こども青少年局こどもの権利擁護課は6月1日、令和7年度の市内における児童虐待の対応状況を公表した。児童虐待、疑いを含む通告・相談に対し、区役所と児童相談所が調査などの対応をした件数は、市全体で1万4180件。前年度の1万3421件から759件、5.7%増え、過去最大となった。
内訳は、区役所が3999件で前年度比57件減、児童相談所が1万181件で816件増だった。構成比では、児童相談所が71.8%、区役所が28.2%を占める。横浜市は、2024年1月にこども家庭庁から示された解釈に基づき、令和4年度以降は、通告・相談受理後の調査などで明らかに虐待行為がないと判断されたケースを除外して集計している。
相談種別では、心理的虐待が7863件で最多となり、全体の55.5%を占めた。前年度から825件、11.7%増えている。身体的虐待は3161件で22.3%、ネグレクトは3067件で21.6%、性的虐待は89件で0.6%だった。心理的虐待の増加は、児童相談所分で729件増と大きく、面前DVなど家庭内で子どもが心理的影響を受ける事案の把握が、相談件数全体を押し上げていると読める。
年齢別では、1~6歳が5168件で36.4%、7~12歳が4941件で34.8%を占めた。増加率では0歳が13.0%増、16歳以上が12.9%増、13~15歳が12.1%増と高い。主たる虐待者別では、実母が7647件で53.9%、実父が5879件で41.5%だった。相談経路別では、警察等からの通告が5387件で38.0%となり、前年度から696件増えた。家族・親戚からの相談も1820件で325件増えている。
児童虐待対応は、子どもの生命・身体の安全だけでなく、成長発達、教育、家庭生活への参加を守る人権施策である。通告件数の増加は、虐待そのものの増加と、警察・家族・親戚など周囲が異変を把握して相談につなげる動きの双方を含む。横浜市の資料では、警察等からの通告が全体の4割近くを占める一方、学校、福祉保健センター、近隣・知人などは前年度を下回った。早期発見の経路が特定機関に偏れば、家庭内で孤立する子どもを見落とすおそれが残る。
今回の公表は、区役所と児童相談所の役割分担を数字で示した点にも意味がある。区役所は母子手帳交付、乳幼児健診、手当手続き、保育所相談などを通じて家庭と接点を持つ。児童相談所は重篤化リスクの高い事案や専門的介入を担う。横浜市こども青少年局こどもの権利擁護課は、1万4180件という過去最大の対応件数を、区役所、児童相談所、警察等、学校、医療機関、保育所の連携の中で扱うことになる。

