1.ヒューマンライツ・ナウが8月24日、ジャーナリスト安田浩一氏を招きヘイトスピーチを考えるオンライン講座を開催
2.HRNは川口市・蕨市周辺の在日クルド人をめぐる街頭やインターネット上の差別被害を問題として提示
3.ヘイトスピーチ解消法施行から10年、法律上の対象範囲と実際に生じる差別被害を分けて考える必要がある

国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ(HRN)は8月24日午後7時から、ウェビナー「差別と偏見の現場を取材して~ヘイトスピーチを許さないために」を開く。外国人差別を取材してきたジャーナリスト安田浩一氏が登壇し、参加費は1,000円。申し込みは当日正午まで受け付ける。
HRNは開催案内で、埼玉県川口市や蕨市周辺で暮らす在日クルド人をめぐり、街頭での排斥を訴えるデモ、インターネット上の誹謗中傷、脅迫電話、盗撮、落書きなどが生じていると説明している。これらは今回の主催団体が示した問題認識であり、個々の行為の事実関係や法的評価については、それぞれ区別して確認する必要がある。
日本では2016年6月3日にヘイトスピーチ解消法が施行され、2026年で10年となる。同法は「本邦外出身者」に対する不当な差別的言動を許さないと宣言し、国や地方公共団体に相談体制、教育、啓発などの取組を促してきた。法務省も施行10年に合わせ、継続してヘイトスピーチ解消の啓発を行っている。
注意すべきなのは、「社会的にヘイトスピーチと呼ばれる言動」と、ヘイトスピーチ解消法が定義する「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」が完全には一致しないことである。同法は対象者や言動について一定の要件を置いている。このため、差別的な言動による被害を検討する際には、解消法の定義に該当するかだけでなく、名誉やプライバシーへの侵害、脅迫など別の法的問題が生じていないかも、個別行為ごとに切り分ける必要がある。
施行10年という節目で検証すべきなのは、法律が存在するかどうかだけではない。街頭からSNSへと表現の場が広がる中で、自治体や法務局への相談が実際の被害にどこまで対応できているか、差別的投稿が大量に拡散された場合にどのような救済手段を利用できるかという運用面が残る。HRNの8月24日の講座は、川口・蕨地域で同団体が問題としている事例を素材に、この法律と実際の被害との距離を考える機会となる。
ヒューマンライツ・ナウ「差別と偏見の現場を取材して~ヘイトスピーチを許さないために」
URL:https://hrn.or.jp/news/29383/
法務省「ヘイトスピーチ、許さない。」
URL:https://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken04_00108.html
法務省「ヘイトスピーチ解消法施行10年」
URL:https://www.moj.go.jp/KANBOU/KOHOSHI/no93/3.html
ヘイトスピーチ
URL:https://jinken-news.com/glossary/hate-speech/
ヘイトスピーチ解消法
URL:https://jinken-news.com/glossary/hate-speech-kaisho-hou/

