名古屋市消防局、盗撮行為で消防官を停職3月

この記事のポイント

1.名古屋市消防局は6月9日、24歳の男性消防官を停職3月の懲戒処分とした。
2.市の資料によると、職員は名古屋駅周辺の商業施設で、女性に対する盗撮行為を2日間行った。
3.公共職員による性的加害は、被害者の尊厳と安心を損なうだけでなく、組織の服務管理と再発防止体制を問う問題となる。

懲戒処分のイメージ図

名古屋市消防局は2026年6月9日、消防局所属の24歳の男性消防官を停職3月の懲戒処分とした。市が同日午後2時30分に公表した資料によると、処分理由は名古屋駅周辺商業施設の物販店での盗撮行為。消防局総務部職員課が報道発表し、処分年月日は6月9日付とされた。

市の資料では、職員は2月8日午前10時30分頃、名古屋駅周辺商業施設の物販店で、推定10代から20代の女性7、8人に対し、スマートフォンを入れた買い物かごを女性の後ろから差し入れて盗撮行為を行ったとされる。2月10日午前10時40分頃にも再び同じ店舗を訪れ、同じく推定10代から20代の女性7、8人に対して同様の手口で盗撮行為を行っていたところ、午後1時40分頃に警備員から声をかけられた。その後、到着した警察官から事実確認と事情聴取を受け、警察署に移動し、厳重注意を受けた。

今回の処分は、消防官という職務の性質とも関わる。消防職員は、市民の生命、身体、財産を守る職責を担い、災害や救急の現場で市民の身体的安全に直接関わる立場にある。そうした職員による盗撮行為は、勤務時間外の私的行為であっても、職務への信頼を傷つける。消防局長は、市民の生命・身体・財産を守る責務を担う消防官が重大な不祥事を起こしたとして謝罪し、コンプライアンス意識の向上と信頼回復に努める旨を示した。

人権上の論点は、盗撮が単なる迷惑行為ではなく、被害者の性的自己決定、プライバシー、安心して公共空間を利用する利益を侵害する点にある。商業施設は、年齢や性別を問わず誰もが利用する場所であり、そこで性的な対象として無断撮影される危険が生じれば、日常的な移動や買い物の自由にも影響する。今回の資料では、被害対象が推定10代から20代の女性とされており、若年女性が公共空間で受けやすい性的被害の問題としても捉える必要がある。

制度面では、性的な姿態をひそかに撮影する行為について、2023年に性的姿態撮影等処罰法が施行され、盗撮をめぐる全国的な刑事法制が整備された。ただし、名古屋市の発表資料は、今回の事案について同法の適用や刑事処分の有無を記載していない。行政処分の記事としては、停職3月という服務上の処分、警察で厳重注意を受けた経過、消防局長コメントの範囲で事実を整理する必要がある。

名古屋市消防局にとっては、個別職員の処分だけで終わらせず、性的加害を含む不祥事防止を服務研修や管理監督の中でどう扱うかが課題となる。消防局総務部職員課が公表した6月9日付資料は、消防官1人の停職3月を明らかにしたものであり、消防局長コメントは「全職員一丸となって、信頼回復に努める」と結んでいる。

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

人権ニュース編集部をフォローする
教育
シェアする
タイトルとURLをコピーしました