那覇市、犯罪被害者等支援条例案への意見募集 11月24日まで

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この記事のポイント

1.那覇市が犯罪被害者等支援条例案について、10月21日から11月24日まで市民意見を募集する。
2.条例案には総合相談窓口の設置、経済的負担の軽減、住居や雇用の安定などが盛り込まれている。
3.犯罪被害者本人だけでなく家族や遺族も対象とし、2027年4月1日の施行を予定している。

犯罪被害者及びその家族の人権に配慮しよう

犯罪被害者支援の条例案に市民の声を

沖縄県那覇市は2026年10月21日、「那覇市犯罪被害者等支援条例(素案)」について、市民意見募集(パブリックコメント)を開始した。募集期限は11月24日。犯罪被害を受けた人やその家族、遺族が安心して暮らせる地域づくりに向け、市独自の支援体制を整えるための条例案について意見を募る。

条例案は全17条で構成され、犯罪被害者等への支援に関する基本理念、市や市民、事業者の責務、具体的な支援施策などを定める。2027年4月1日の施行を予定している。

那覇市は、国の「犯罪被害者等基本法」や2022年7月に施行された「沖縄県犯罪被害者等支援条例」、他自治体の制度などを参考に、庁内の検討委員会や関係団体への意見照会を通じて条例案をまとめた。

国や県による支援に加え、被害者が日常生活を送る自治体として、相談や生活支援を担う仕組みを明確にする内容となっている。

相談窓口から住居・雇用の安定まで

条例案の中心となるのは、犯罪被害者等の置かれた状況に応じた支援を、複数の分野にわたって行う仕組みだ。

第7条では、相談、必要な情報の提供、関係機関との連絡調整を行うとともに、これらを総合的に担う窓口の設置を規定している。

第8条では経済的負担の軽減を図るため、見舞金の給付などの施策を講じるよう努めるとした。第9条では再被害や二次的被害を防ぐための安全確保、第10条では住居の確保に向けた支援、第11条では雇用の安定に向けた職場環境の整備などを盛り込んでいる。

犯罪被害に遭うと、けがや精神的な苦痛だけでなく、転居、仕事の休業、医療機関の受診、各種手続きへの対応など、生活上の問題が重なることがある。

条例案は、支援を相談窓口だけで完結させるのではなく、住まいや仕事、経済的負担を含めて考える構成となっている。ただし、見舞金の金額や具体的な給付要件が条例案で確定しているわけではない。個別の支援内容は、条例制定後の制度整備も含めて確認する必要がある。

「二次的被害」とは何か

条例案では、「二次的被害」を明確に定義している。

二次的被害とは、犯罪そのものによる直接の被害とは別に、周囲の無理解や配慮に欠ける言動、過度な取材や報道、インターネット上の誹謗中傷などによって、被害者や家族が新たな苦痛や不利益を受けることをいう。

例えば、被害者の行動を一方的に非難する発言や、本人の望まない形で被害内容を広める行為は、被害を受けた人の生活や心身に影響を与えることがある。

那覇市の条例案は、犯罪被害者等が個人として尊重されること、状況に応じた支援が行われること、必要な支援が途切れないことを基本理念としている。

市民や事業者についても、被害者への理解を深め、二次的被害が生じないよう配慮し、支援に協力するよう努めることを定めた。市民の日常的な言動や職場での対応も、犯罪被害者支援と関係することを示している。

国と県の制度を補う市町村の役割

犯罪被害者等基本法は2004年に制定された。犯罪被害者等の権利利益を保護するため、国、地方公共団体、国民の責務や、支援施策の基本的な方向を定めた法律だ。

法律上の「犯罪被害者等」には、犯罪などによって被害を受けた本人だけでなく、その家族や遺族も含まれる。

2026年3月17日には、国の「第5次犯罪被害者等基本計画」が閣議決定された。2026年度から2030年度までを計画期間とし、関係機関が連携して支援につなぐワンストップサービス体制の整備などを進める方針が示されている。

那覇市の公表資料によると、2025年4月1日時点で犯罪被害者等の支援を目的とする条例などを制定していたのは、全国47都道府県すべてと、政令指定都市を除く市区町村の62.9%だった。沖縄県内では2026年3月31日時点で、41市町村中26市町村が制定している。

今回の那覇市の条例案は、国と県の制度を踏まえ、市民に身近な基礎自治体が担う支援内容を具体化するものといえる。

パブリックコメントの参加方法

パブリックコメントとは、行政が条例や計画などを策定する際に、案を公表して住民などから意見を募集する手続きだ。

那覇市では、条例案と概要資料を市公式ウェブサイトで公開しているほか、市役所本庁舎1階の市民生活安全課、市政情報センター、首里・真和志・小禄の各支所窓口でも閲覧できる。

意見は、郵送、ファクス、電子メール、窓口への直接提出で受け付ける。任意の様式でも提出できるが、氏名、住所、日中連絡可能な電話番号の記載が必要となる。匿名での提出や電話による口頭意見は受け付けない。

電子メールの提出先は「C-KATU001@city.naha.lg.jp」、ファクスは「098-861-3769」。郵送の場合は11月24日必着で、市民生活安全課宛てに送付する。

提出された意見の概要と市の考え方は、募集終了後に公表する予定。氏名や住所などの個人情報は公表しない。被害内容など個人や事件を特定するおそれがある部分についても、公表しない、または要約する場合がある。

犯罪被害者支援について意見を寄せることは、被害経験のある人に限られない。市民や事業者が、相談のしやすさ、就労への配慮、支援情報へのアクセスなど、地域での暮らしを通じて感じることを伝える機会でもある。

那覇市は11月24日まで意見を受け付け、寄せられた声を踏まえながら、2027年4月施行を予定する条例の制定手続きを進める。

出典

那覇市「那覇市犯罪被害者等支援条例案に対する市民意見の募集」 URL:https://www.city.naha.okinawa.jp/kurasitetuduki/sankaku-kyoudou/1002369/1012662.html

那覇市「那覇市犯罪被害者等支援条例(素案)」 URL:https://www.city.naha.okinawa.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/012/662/2_r8_higaisha_pabukome_soan.pdf

那覇市「那覇市犯罪被害者等支援条例(素案)の概要」 URL:https://www.city.naha.okinawa.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/012/662/3_r8_higaisha_pabukome_gaiyou.pdf

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人権ニュース編集部

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