港区リーブラでパープルリボン運動2026 デートDVと性暴力の防止、被害者支援の課題

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この記事のポイント

1.港区立男女平等参画センター「リーブラ」は11月、女性への暴力根絶を目的とするパープルリボン運動2026を実施する。
2.有識者によるパネル展や団体作品展に加え、11月14日にはNPO法人ピルコンによるデートDV防止講座を開催する。
3.暴力を防ぐ教育だけでなく、性的同意、交際相手からの支配、被害者が安全に相談・避難できる制度を理解することが課題となる。

【女性に対する暴力をなくす運動】リーブラ・パープルリボン運動2026(パネル展・団体作品展・講座)実施

リーブラが11月に3つの啓発企画

東京都港区の港区立男女平等参画センター「リーブラ」は、2026年11月1日から30日まで、女性に対する暴力の根絶を目的とする「リーブラ・パープルリボン運動2026」を実施する。

期間中は、リーブラで活動する団体による紫色を基調とした作品展、有識者によるメッセージパネル展、デートDV防止講座を開催する。

メッセージパネル展には、上智大学の齋藤梓准教授、京都女子大学の手嶋昭子副学長、立命館大学の中村正特任教授、フェリス女学院大学の山本千晶教授が寄稿する。

展示の一部は港区役所やみなとパーク芝浦にも掲出される。

11月14日には、NPO法人ピルコンを講師に、デートDV防止講座「自分も相手も大切にするって?恋愛と対等な関係を考えよう」を開催する。

リーブラは11月21日と22日が臨時休館日となるため、展示の観覧を予定する場合は注意が必要となる。

女性への暴力をなくす運動の背景

内閣府などは毎年11月12日から25日までを「女性に対する暴力をなくす運動」の期間と定め、全国で啓発活動を実施している。

この運動は2001年6月の男女共同参画推進本部決定に基づくもので、11月25日は国連が定めた「女性に対する暴力撤廃の国際デー」に当たる。

運動では、DV、性犯罪・性暴力、ストーカー行為、セクシュアルハラスメントなどを対象に、国、地方公共団体、関係団体が啓発活動を実施する。

2026年度の国の運動では、被害者自身がDVや性暴力に該当するか判断できない段階でも、相談できることを伝える内容となっている。

これは、自分の経験が法律上の犯罪やDVに当たるかどうか分からない人にも、相談の機会を確保するための啓発といえる。

デートDVは身体的な暴力だけではない

デートDVは、交際相手や元交際相手から受ける暴力を指す。

身体的な暴力だけでなく、精神的暴力、性的暴力、経済的な支配なども問題となる。

例えば、交際相手にスマートフォンの内容を見せるよう強要する、友人との交流を制限する、連絡への即時返信を要求する、別れたいという意思を認めないなどの行為は、相手の自由を制限する支配的な関係につながる場合がある。

恋愛関係では、親密さを理由に、相手の行動を監視したり、自由を制限したりする行為が正当化されることがある。

しかし、交際していることは、相手の行動を支配する権利を与えるものではない。

相手の自由や意思を尊重することは、交際関係でも基本となる。

性的同意と2023年の刑法改正

デートDVを防止するための教育では、性的同意について理解することも必要となる。

性的同意は、性的な行為について本人が自由な意思に基づいて判断することと関係する概念である。

ただし、表面的に同意したように見える場合でも、脅迫や支配関係によって拒否することが難しい状況であれば、自由な意思による同意があったと単純に判断することはできない。

2023年7月13日に施行された刑法改正では、不同意性交等罪、不同意わいせつ罪の規定が整備された。

改正では、暴行や脅迫のほか、恐怖、心身の障害、アルコールの影響、経済的・社会的な関係による影響力などによって、同意しない意思を形成、表明または全うすることが困難な状態にある場合などが規定された。

これらの規定は、配偶者や交際相手との間で行われた性的行為にも適用され得る。

もっとも、不適切な性的言動がすべて直ちに不同意性交等罪や不同意わいせつ罪に該当するわけではない。具体的な行為が刑法上の要件を満たすかどうかは、個別に判断される。

デートDVと配偶者暴力防止法の関係

交際相手から暴力を受けた場合、配偶者暴力防止法が適用されるかどうかは、当事者の関係によって異なる。

同法の対象には、法律上の婚姻関係にある配偶者のほか、事実婚の相手や、生活の本拠を共にする交際相手なども含まれる。

しかし、同居していないすべての交際相手が、同法の保護命令制度の対象となるわけではない。

一方、配偶者暴力防止法の保護命令制度の対象外となる場合でも、暴行、傷害、脅迫、ストーカー行為、不同意性交等に該当する場合には、刑法やストーカー規制法などが関係することがある。

被害を受けた人が適切な制度を利用するためには、暴力の内容と当事者の関係を踏まえ、相談先を選ぶ必要がある。

被害者に責任を負わせない教育

デートDVの防止教育では、被害者が危険な関係に気づくための知識を伝えることがある。

しかし、「危険な相手を見極める」「早く別れる」といった被害者側の注意だけでは、暴力を行う側の責任が十分に扱われない。

交際相手が拒否した場合にその意思を尊重すること、相手の自由を制限しないこと、脅迫や暴力を正当化しないことなど、加害行為を防ぐための教育も必要となる。

暴力の発生原因を被害者の判断にのみ帰せば、被害を受けた人への責任転嫁につながるおそれがある。

デートDV防止教育では、被害者が危険に気づくための知識と、加害行為をしないための考え方を両立させる必要がある。

相談先を知っていても利用できない場合

DVや性暴力の被害者に対しては、相談窓口を周知することが重要となる。

ただし、相談先の電話番号を知っていることと、実際に安全に相談できることは同じではない。

交際相手にスマートフォンを監視されている場合、電話の発信履歴やメッセージを確認される危険がある。

加害者との関係を解消することで、住居、収入、子どもの生活などに影響が生じる人もいる。

そのため、相談体制には、電話、チャット、対面など複数の手段を用意し、本人の安全な連絡方法に配慮することが必要となる。

国の相談制度としては、DV相談ナビ「#8008」やDV相談プラスがある。性犯罪・性暴力については、全国共通番号「#8891」からワンストップ支援センターにつながる仕組みも設けられている。

ただし、窓口によって対応時間や相談できる内容は異なる。差し迫った危険がある場合には、警察への通報など状況に応じた対応が必要となる。

パープルリボン運動の効果をどう考えるか

パープルリボン運動は、女性への暴力の問題を広く知らせるための啓発活動である。

展示やリボンの配布によって、暴力防止への関心を広げることができる。しかし、啓発活動の成果を参加者数や配布したリボンの数だけで判断することには限界がある。

啓発に接した人がDVや性暴力について正確に理解したか、被害者に責任を負わせるような考え方が変化したか、困ったときに相談できる制度を把握したかなども検証対象となる。

特にデートDVでは、暴力を被害者側の注意不足として扱わず、交際関係における対等性と同意の尊重を学ぶことが必要となる。

出典

港区立男女平等参画センター リーブラ「リーブラ・パープルリボン運動2026」 URL:https://www.minatolibra.jp/libra_purple_ribbon2026/

内閣府男女共同参画局「令和8年度 女性に対する暴力をなくす運動」 URL:https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/no_violence_act/index.html

内閣府男女共同参画局「配偶者暴力防止法の令和5年一部改正法情報」 URL:https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/law/32.html

内閣府男女共同参画局「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」 URL:https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/seibouryoku/consult.html

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人権ニュース編集部

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