堺市、31歳消防職員を懲戒免職 住居内を複数回撮影

この記事のポイント

1.堺市は9月7日、共同住宅の女性宅を玄関ポストから撮影した消防局堺消防署の31歳職員を懲戒免職とした。
2.警察の捜査では別の女性宅を含む複数回の撮影も判明し、性的姿態等撮影罪などの容疑で書類送検されたが、7月27日付で不起訴となっていた。
3.不起訴は刑事手続上の処分であり、市は地方公務員法と市の懲戒基準に基づき、公務員としての信用や行為の態様を別に判断した。

懲戒処分のイメージ図

堺市は2026年9月7日、消防局堺消防署に勤務する31歳の職員を懲戒免職とした。市によると、職員は5月27日午前11時ごろ、自身が住む共同住宅でスマートフォンを使い、女性宅の玄関ポストから居室内を撮影した。警察の捜査では、過去にも同じ女性や同じ共同住宅に住む別の女性の居室内を同様の方法で複数回撮影し、その際に女性の姿が記録されていたことが判明した。市は地方公務員法33条に違反し、同法29条1項1号、3号に該当すると判断した。

職員は性的姿態等撮影罪と同未遂罪の容疑で書類送検されたものの、7月27日付で不起訴処分となっている。ここで区別する必要があるのが、刑事手続と地方公務員に対する懲戒処分である。不起訴は検察官が公訴を提起しなかったという刑事手続上の結果であり、それだけで行為が存在しなかったことや、行政組織が服務上の責任を問えないことを意味しない。堺市は捜査で判明した行為を基に、公務員として信用を失墜させる行為に当たるかを独自に判断した。

堺市の「職員の懲戒処分の基準に関する規則」は、処分を決める際、非違行為の態様と結果、動機、故意・過失、悪質性、職責、行為前後の態度、他の職員や社会への影響などを総合的に考慮すると定める。別表では、法律や条例に反する盗撮、のぞきなどの行為について、免職、停職または減給を標準的な処分としている。今回の免職は、刑事裁判の有罪判決を前提とする仕組みではなく、この行政上の懲戒基準に基づく処分である。

2023年施行の性的姿態撮影等処罰法は、本人の意思に反する性的姿態の撮影などを全国共通の刑事規制の対象とした。ただし、今回の公表資料から確認できるのは、職員が同法違反などの容疑で書類送検され、その後不起訴になったという事実までであり、撮影された映像が同法の構成要件を満たしたと断定することはできない。一方、住居内を外部から繰り返し撮影する行為は、そこに暮らす人の私生活の平穏やプライバシーに直接関わる。堺市には免職処分だけで終わらせず、消防局を含む職員に対して服務規律と他者のプライバシーをどのように再確認するかが残されている。

出典

堺市「職員の懲戒処分について」
URL: https://www.city.sakai.lg.jp/shisei/koho/hodo/hodoteikyoshiryo/kakohodo/r8/r809/080907_01.files/0907_01.pdf

堺市「堺市職員の懲戒処分の基準に関する規則」
URL: https://www.city.sakai.lg.jp/reiki/reiki_honbun/s000RG00001227.html

e-Gov法令検索「地方公務員法」
URL: https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000261

法務省「性犯罪関係の法改正等 Q&A」
URL: https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00200.html

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人権ニュース編集部

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