1.東京都は9月の卵巣がん啓発月間に合わせ、東京都庁第一本庁舎を啓発カラーのティール色にライトアップする。
2.国立がん研究センターによると、2023年の卵巣がん診断数は1万2,926例、2024年の死亡数は5,116人だった。
3.卵巣がんは初期に自覚症状が乏しく、国の指針に定められた集団検診もないため、啓発では科学的根拠に基づく医療情報へのアクセスが欠かせない。

東京都は2026年9月、「卵巣がん啓発月間」に合わせ、東京都庁第一本庁舎を啓発カラーのティール色にライトアップする。点灯日は9月6日、7日から15日、18日から20日、22日で、都庁プロジェクションマッピングの上演時間を避けて実施する。都はがんに関する正しい知識を広め、早期の医療相談などにつなげる取組の一つとしている。
国立がん研究センターのがん統計によると、2023年に卵巣がんと診断された人は全国で1万2,926例、2024年の死亡数は5,116人だった。2018年診断例の5年相対生存率は59.9%だが、生存率は病期、年齢、がんの種類などによって異なるため、この数字から個々の患者の経過を予測することはできない。
卵巣がんの啓発では、「早期発見のため定期的に検診を受ければよい」という単純な説明を避ける必要がある。国立がん研究センターによると、卵巣がん・卵管がん・腹膜がんは初期には自覚症状がほとんどない。また、厚生労働省の指針に基づく対策型がん検診には卵巣がんを対象とする方法は定められていない。気になる症状が続く場合には医療機関を受診することが案内されている。
がんに関する正確な情報へアクセスできることは、患者や家族が検査・治療を選択するための前提でもある。卵巣がんには遺伝的要因が関係する場合もあるが、すべての女性に同じリスクがあるわけではない。恐怖心だけを強める啓発ではなく、症状、統計、検診の限界、相談先を区別して伝える必要がある。東京都のティールライトアップについても、視覚的な周知から国立がん研究センターなど信頼できる医療情報へ誘導できるかが、啓発施策としての実効性を左右する。
東京都「『卵巣がん啓発月間』東京都庁舎ライトアップの実施について」
URL:https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/08/2026083113
国立がん研究センター「卵巣 がん統計」
URL:https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/19_ovary.html
国立がん研究センター「卵巣がん・卵管がん・腹膜がん 予防・検診」
URL:https://ganjoho.jp/public/cancer/ovary/prevention_screening.html
リプロダクティブ・ヘルス/ライツ
URL:https://jinken-news.com/glossary/reproductive-health-rights/

