1.兵庫県は9月1日から2027年3月31日まで、県内プロスポーツ5チームの選手を起用した人権啓発キャンペーンを実施する。
2.SNS広告、ラジオCM、街頭ビジョン、競技会場などを使い、「ネットで人を傷つけない」「正しい情報で、人を支えよう」と呼び掛ける。
3.法務省が2025年に扱ったインターネット上の人権侵犯は1,569件で、拡散防止と被害者の相談先を併せて伝える必要がある。

兵庫県は2026年9月1日から2027年3月31日まで、県内のプロスポーツ5チームの選手を起用した人権啓発キャンペーンを展開する。参加するのは、ヴィッセル神戸の山川哲史選手、神戸ストークスの道原紀晃選手、コベルコ神戸スティーラーズの李承信選手、ヴィクトリーナ姫路の櫻井美樹選手、INAC神戸レオネッサの山本摩也選手。競技や男女の違いを越えて、インターネット上の誹謗中傷や情報発信のあり方を訴える。
キャンペーンのコンセプトは「その先には大切な人がいる」。30秒動画「リスペクトで繋がろう!」に加え、「ネットで人を傷つけない」「正しい情報で、人を支えよう」をテーマとする15秒動画を制作する。X、YouTube、InstagramのSNS広告、ラジオ関西のCM、姫路駅前や三宮センター街などの街頭ビジョン、高校・大学、県・市町の公共施設にも展開するほか、各スポーツチームの試合会場に啓発ブースを設置する予定だ。
法務省によると、2025年に新たに救済手続きを開始した人権侵犯事件は8,207件で、そのうちインターネット上の人権侵犯事件は1,569件だった。SNSでは投稿が短時間で拡散し、第三者による転載や画像保存が繰り返されることで、元の投稿を削除しても情報が残る場合がある。ただし、「誹謗中傷」は一つの犯罪名ではなく、表現の自由との関係もある。政策的には、批判や意見まで一律に封じるのではなく、名誉やプライバシーの侵害、差別的言動、虚偽情報の拡散など、何が他者の権利を侵害するのかを具体的に伝える必要がある。
プロ選手は多数のフォロワーへ直接情報を届けられる一方、自身もSNS上の批判や中傷にさらされやすい。その経験に近い立場から発信することで、行政だけによる啓発より若い世代へ届きやすくなる可能性がある。ただし、著名選手の出演や動画再生数だけで啓発効果を評価することはできない。兵庫県が7カ月間の取組を検証する際には、相談窓口の認知が高まったか、投稿前に情報を確認する行動につながったか、被害を受けた人が法務局などの相談先を把握できたかといった結果も評価材料となる。
兵庫県「プロスポーツ選手と連携した人権啓発キャンペーン」
URL:https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk57/press/20260831.html
法務省「令和7年における人権侵犯事件の状況について」
URL:https://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken05_00117.html
法務省「人権教育・啓発に関する基本計画(第二次)」
URL:https://www.moj.go.jp/JINKEN/JINKEN83/jinken83.html

