1.厚生労働省の2025年外国人雇用実態調査では、一般労働者の月間のきまって支給する現金給与額は29万2,400円だった。
2.在留資格別では技能実習が21万3,500円となり、来日前に募集・紹介費用を負担した外国人の実態も調査された。
3.企業側の最大の雇用理由は「労働力不足の解消・緩和」で、外国人を採用するだけでなく、賃金、募集費用、相談制度を含む雇用の質が問われる。

厚生労働省は2026年8月31日、2025年「外国人雇用実態調査」の結果を公表した。外国人労働者を雇用する事業所と外国人労働者本人を対象に、雇用形態、賃金、労働時間、入職経路、就職時の費用やトラブルなどを調べた。一般労働者の月間のきまって支給する現金給与額は29万2,400円で、所定内実労働時間は158.7時間、超過実労働時間は17.6時間だった。
在留資格別の現金給与額を見ると、「専門的・技術的分野」が30万6,500円、「特定技能」が25万4,100円、「技能実習」が21万3,500円だった。外国人を雇用する理由では「労働力不足の解消・緩和のため」が68.2%で最も高く、「日本人と同等またはそれ以上の活躍をしてくれるため」が56.2%だった。外国人を雇用する上での課題では、「日本語能力等のためにコミュニケーションが取りにくい」が46.2%を占めた。
労働者側の調査では、海外から来日した人の多くが仕事の紹介を受けており、母国の紹介会社や個人を介して来日した例も多い。来日前に支払った費用では「20万円以上40万円未満」「40万円以上60万円未満」といった回答層があり、就職時に何らかのトラブルがあった人も確認された。トラブル内容には紹介会社などへ支払う費用の高さや、問題が生じてもどこに相談すればよいか分からないことが含まれる。賃金だけでなく、就労開始前にどの程度の費用や債務を負っているかも、外国人労働者の就業環境を評価する材料になる。
別の「外国人雇用状況」の届出集計では、2025年10月末時点の外国人労働者数は257万1,037人で、前年より26万8,450人、11.7%増加し、過去最多を更新した。調査方法や対象が外国人雇用実態調査とは異なるため数字を単純比較することはできないが、外国人雇用の規模そのものが拡大していることは明確だ。厚生労働省は外国人労働者向けの相談窓口を13言語で案内している。企業には、人手不足を補う人数として外国人を見るだけでなく、募集段階の費用、賃金・労働時間、母語での説明、相談・救済へのアクセスまで含めた雇用管理が必要になる。
厚生労働省「令和7年外国人雇用実態調査」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75722.html
厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況まとめ」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_68794.html
厚生労働省「外国人労働者向け相談ダイヤル」
URL:https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/soudan/foreigner_eng.html

