1.栃木県が8月19日、林業事業体向けに働き方改革と外国人材制度を扱う実務セミナーを開催する。
2.林業・木材産業は特定技能の対象分野となった一方、林業の2023年の死傷年千人率は22.8で全産業平均2.4の約10倍だった。
3.外国人材受入れでは制度説明だけでなく、理解可能な安全教育、相談体制、適正な労働条件まで一体で確認する必要がある。

栃木県は8月19日、宇都宮市の栃木県林業大学校で「働き方改革と外国人材制度の基礎を押さえる実務セミナー」を開催する。第1部では、とちぎ外国人材受入支援センターの外国人材コーディネーター堀江茂行氏が「林業・木材産業も『特定技能』外国人が活躍可能」をテーマに説明し、第2部ではC.K.コンサルティング&コーチング代表の近藤千園氏が職場づくりを扱う。栃木県、栃木県森林組合連合会、栃木県林業振興協会の共催となる。
林業に外国人材を導入する議論では、人手不足と労働安全を切り離せない。林野庁によると、林業の2023年の死傷年千人率は22.8で、全産業平均2.4の約10倍だった。林業は伐木、集材、重機作業、傾斜地での移動など危険を伴う作業が多く、安全管理は国籍にかかわらず雇用の前提となる。特定技能の対象分野に林業・木材産業が加わったことで、新たな担い手を確保できる可能性が生まれた一方、安全教育が十分に伝わる職場設計という課題も同時に増している。
特定技能1号は、単に外国人が就労できる在留資格ではない。受入れ機関などには、生活オリエンテーション、日本語学習の機会、相談・苦情への対応などを含む支援が制度上組み込まれている。林業の場合、安全衛生上の説明が日本語で行われていても、作業者が内容を正確に理解できなければ事故防止には結び付かない。危険箇所、退避方法、機械操作、保護具、事故時の連絡などを、本人が理解できる形で確認することが実務上の課題になる。
栃木県のセミナーが「外国人材制度」と「これからの林業を支える職場づくり」を二部構成で扱う点は、人員確保だけに議論を限定していない点で重要だ。ただし、公表ページだけでは、多言語での安全教育、外国人本人からの相談・苦情対応、労災防止策をどこまで具体的に扱うかは確認できない。林業の高い労災率を踏まえれば、セミナー後に各林業事業体が採用人数だけでなく、安全教育の理解確認や相談体制、外国人と日本人の労働条件の扱いまで整備したかが、外国人材受入れ策を評価する材料となる。
栃木県「働き方改革と外国人材制度の基礎を押さえる実務セミナー」
URL:https://www.pref.tochigi.lg.jp/d07/jinzai/r8rinngyou-seminar.html
林野庁「林業の動向 安全な労働環境の整備の必要性」
URL:https://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/r6hakusyo_h/all/chap2_1_3.html
