C-Rights「永住許可ガイドライン改定案」

この記事のポイント

1.出入国在留管理庁が8月4日に示した永住許可ガイドライン改定案では、収入、年金、日本語能力、子の就学などを審査上の考慮要素に盛り込む。
2.国際子ども権利センターは8月8日、移住連の反対声明に賛同し、親の在留資格が子どもの教育や地域生活に及ぼす影響を指摘した。
3.改定案はまだ確定しておらず、e-Govでは9月4日午前0時まで意見を受け付けている。

シーライツが「永住許可に関するガイドラインの厳格化に強く反対し、撤回を求める声明」に賛同

認定NPO法人国際子ども権利センター(C-Rights)は8月8日、NPO法人移住者と連帯する全国ネットワークが前日に公表した「永住許可に関するガイドラインの厳格化に強く反対し、撤回を求める声明」への賛同を表明した。対象となっているのは出入国在留管理庁が8月4日に公示した永住許可ガイドライン改定案で、C-Rightsは、親の在留資格が不安定になることが、日本で暮らす子どもの学校生活、地域での人間関係、将来設計にも影響すると指摘している。

改定案の内容を見ると、現行制度の単純な「条件追加」とだけ説明するのも正確ではない。入管法22条2項には「素行善良要件」「独立生計要件」「国益要件」があり、ガイドラインは法務大臣が審査で考慮する要素の基本的な考え方を示す文書である。今回の案では、世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準への継続的な到達を収入面の考慮要素とし、将来の年金受給見込額、日本語能力CEFR・B1相当、制度・ルールへの理解、学齢期の子どもの就学状況などを審査に組み込む。日本人・永住者の配偶者などに適用されてきた原則10年在留の特例も、婚姻期間3年・国内在留1年から5年・3年へ延長する案となっている。

ここで子どもの問題が生じるのは、永住許可の審査が申請者個人だけで完結しないためだ。改定案は独立生計要件を原則として同一生計世帯単位でみるほか、申請者が扶養する国外居住親族も世帯人数に加えるとしている。学齢期の子を就学させていない場合には国益要件上の消極評価とする。親の収入、家族構成、子どもの教育という別々の事情が、一つの永住審査で相互に関係する設計になる。C-Rightsが子どもの権利条約の「差別の禁止」と「子どもの最善の利益」を挙げたのは、こうした家族単位の影響を問題にしているためだ。

他方、改定案の内容と反対団体の評価は分けて読む必要がある。C-Rightsは「大幅に厳しい要件」と評価しているが、入管庁の案では、収入など一部項目を「考慮要素」とし、永住許可は個別事情を総合的に考慮すると明記している。つまり、個々の数値を下回れば機械的にすべて不許可になる、と案文から直ちに断定することはできない。その一方で、審査項目が増え、配偶者特例の期間が延びること自体は案文で確認できる。収入に関する要素は2026年10月、その他は原則2027年4月からの適用案であり、e-Govでは9月4日午前0時まで任意の意見募集を実施している。制度が確定する前の段階だからこそ、審査の予見可能性と家族・子どもへの影響を分けて検証する必要がある。

出典

国際子ども権利センター「『永住許可に関するガイドラインの厳格化に強く反対し、撤回を求める声明』に賛同しました」
URL:https://c-rights.org/seimei_260808/

e-Gov「永住許可に関するガイドライン改定案に係る意見募集について」
URL:https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&Mode=0&id=315000140

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人権ニュース編集部

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