1.豊島区は、社会的養護経験者(ケアリーバー)への経済的支援として、お祝い金と給付型奨学金を実施している。
2.お祝い金は自立時に1度限り10万円、給付型奨学金は年間上限50万円を4年間支給する。
3.申請には、出身施設等の施設長または里親による推薦が必要で、やむを得ない事情がある場合は豊島区児童相談所長が推薦する。

豊島区は2026年6月30日、社会的養護経験者(ケアリーバー)への経済的支援について、区ホームページで令和8年度の案内を更新した。対象となるのは、児童養護施設や里親の元から自立する若者で、区は「お祝い金」と「給付型奨学金」により、進学や就職に伴う経済的負担を軽減する。
お祝い金は、施設等を退所することなどによる自立を祝い、支援金を支給する制度である。支給額は一律10万円で、自立時に1度限り。案内PDFでは、中学校卒業以上の年齢で、進学または就職のため、豊島区内の里親・ファミリーホームを委託措置解除となる人、または豊島区児童相談所が措置した人で、区外の児童養護施設、児童自立支援施設、児童心理治療施設、障害児入所施設、里親・ファミリーホーム、自立援助ホーム等を退所・解除となる人などを対象としている。
給付型奨学金は、大学、短期大学、高校卒業資格を入学要件とする専修学校・各種学校のうち、通学制の学校に在籍中または入学予定の人を対象とする。支給対象経費は、入学金、授業料、施設費、実習費、これらに類する学納金で、校友会費に類する費用、教材費、交通費は対象外となる。支給額は実費額で、年間上限50万円。支給期間は4年間とされている。
申請には、豊島区児童養護施設退所者等支援事業申請書兼口座振替依頼書の提出が必要になる。お祝い金と奨学金は同時に申請できる。奨学金については、自己負担額が確定していない場合の「概算払い」と、自己負担額が確定して支払い済みの場合の「確定払い」が示されている。令和8年度の最終申請期限は、令和9年2月26日必着。電子申請と書面申請の両方を受け付けるが、メールでの申請は受け付けていない。
人権上の論点は、家庭に頼りにくい若者が、施設等を出た直後に住まい、学費、生活費を同時に抱えやすい点にある。社会的養護のもとで育った若者は、18歳以降に支援との接点が細くなりやすく、進学や就職の選択が経済事情に左右される場合がある。自立時の10万円や年間50万円を上限とする学納金支援は、単なる給付ではなく、進路選択の幅を確保する施策として読む必要がある。
豊島区は、困難を抱える子ども・若者・子育て家庭を支援する「としま子ども若者応援基金」を活用して、この事業を実施している。申請には出身施設等の施設長または里親による推薦が必要だが、推薦を受けられないやむを得ない事情がある場合は、豊島区児童相談所長が推薦する。担当は豊島区子ども家庭部子育て支援課社会的養育施策調整グループで、区は本人名義の口座に決定額を振り込む形で、ケアリーバーの自立と進学を支える。
豊島区「社会的養護経験者(ケアリーバー)への経済的支援」
URL:https://www.city.toshima.lg.jp/525/2606181526.html
豊島区「令和8年度 豊島区児童養護施設退所者等支援事業のご案内 お祝い金・給付型奨学金」
URL:https://www.city.toshima.lg.jp/documents/56987/20260417150210.pdf

