京成電鉄、バリアフリー整備27.58億円 2駅で段差解消

この記事のポイント

1.京成電鉄が2025年度に実施したバリアフリー整備などの費用は、27億5,800万円だった。
2.新千葉駅と大森台駅でエレベーターとバリアフリートイレを供用し、両駅の段差解消を完了した。
3.2026~2030年度にはホームドア30番線と、段差を解消した移動経路を3駅で整備する計画を示した。

バリアフリー

京成電鉄は2026年6月26日、2025年度のバリアフリー整備等実績を公表した。整備費は27億5,800万円で、新千葉駅と大森台駅に計4基のエレベーターを設置したほか、新千葉駅にスロープ、両駅にバリアフリートイレを整備した。日暮里駅と空港第2ビル駅では案内サイン、京成中山駅では障害者対応型券売機と拡幅改札口の供用を始めた。

費用の内訳では、設置・改良費が16億1,200万円を占めた。京成高砂駅、青砥駅、鬼越駅など8駅25番線のホームドア関係費は12億1,100万円で、エレベーター整備に2億9,100万円、バリアフリートイレに4,500万円を充てた。ただし、8駅25番線は2025年度中にホームドアの供用を始めた実績ではない。資料上、同年度のホームドア設置完了は0番線で、費用には設計、ホーム補強、既存設備の改良などが含まれる。整備費と供用開始数を分けて読む必要がある。

設備更新では、千葉寺駅のエレベーター1基に4,200万円、八千代台駅、京成酒々井駅、京成千葉駅のエスカレーター計7基に3億6,800万円を支出した。千住大橋駅など6駅の行先表示器、京成関屋駅など34駅の触知図案内板などには2億5,700万円を計上した。エレベーターやホームドアなどの維持管理費は4億5,500万円、駅務機器改修費などは2,400万円だった。

京成電鉄は2024年3月16日から、京成本線、押上線、金町線、千葉線、千原線、東成田線で、1乗車当たり10円を基本とする鉄道駅バリアフリー料金を加算している。成田空港線と通学定期旅客運賃には加算しない。2025年度の徴収額は22億2,200万円で、制度開始後の累計は43億4,000万円となった。これに対し、2021~2025年度の累計整備費は67億1,600万円だった。

2021~2025年度の計画では、押上駅を含むホームドア4番線、段差を解消した一経路を2駅、二経路以上を1駅で整備し、いずれも計画数に対する進捗率は100%となった。次の2026~2030年度計画では、ホームドアを2027年度に10番線、2028年度に9番線、2029年度に5番線、2030年度に6番線の計30番線で整備する。段差解消は3駅を計画しているが、今回の進捗表には対象駅名を記載していない。

駅のバリアフリー化は、利便性の向上だけを目的とする設備投資ではない。障害者権利条約第9条は、障害者が輸送機関などを利用する機会を確保し、利用を妨げる障壁を特定して撤廃する措置を定めている。ホームドアは視覚障害者を含む利用者の転落を防ぎ、エレベーターや拡幅改札口は車いす使用者らが介助への依存を減らして移動する条件となる。京成電鉄が次期計画を検証可能な形で示すには、30番線の対象駅、供用予定時期、設計段階と工事段階の区別を、年度ごとの実績とともに公開することが必要となる。

出典

京成電鉄「2025年度バリアフリー整備等実績」
URL:https://www.keisei.co.jp/cms/files/keisei/MASTER/0110/hv1CChTa.pdf

京成電鉄「鉄道駅バリアフリー料金 収受開始日のご案内」
URL:https://www.keisei.co.jp/cms/files/keisei/MASTER/0110/ud6bZ0mx.pdf

国土交通省「バリアフリー関連事業」
URL:https://www.mlit.go.jp/tetudo/tetudo_tk6_000008.html

外務省「障害者の権利に関する条約」
URL:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinken/index_shogaisha.html

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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