1.かながわ国際交流財団と神奈川産業振興センターが、県内中小企業向けの外国人材定着セミナーを開く。
2.吉田圭輔さんが受入れ体制を解説し、佐々木鉄工所が36年間の外国人雇用事例を紹介する。
3.採用後の定着を、生活支援、多文化理解、適正な労働条件を含む雇用主側の課題として扱う。

公益財団法人かながわ国際交流財団(KIF)と公益財団法人神奈川産業振興センター(KIP)は2026年7月27日、県内中小企業の経営者らを対象とする「外国人材定着・多文化理解セミナー」をオンラインで開く。時間は午前10時から正午までで、参加費は無料。外国人材の採用を検討している企業や、採用後の定着に課題を抱える企業に向け、生活支援、職場内コミュニケーション、多文化理解を含む受入れ体制を取り上げる。日本貿易振興機構横浜貿易情報センター(ジェトロ横浜)と神奈川県が共催する。
前半では、一般社団法人Transcend-Learning代表理事の吉田圭輔さんが「外国人材の定着:制度・社会環境の変化に企業はどう向き合うか」と題して講演する。募集時の留意点、採用後のミスマッチや早期離職を防ぐための受入れ、多文化理解を踏まえた職場づくりを説明する。開会後には、KIPが「かながわ外国人材活用支援ステーション」、KIFが定着支援に役立つ生活情報を紹介し、終盤にはジェトロ横浜が高度外国人材活躍推進事業を案内する。
企業事例は、株式会社佐々木鉄工所取締役の佐々木麻乃さんが報告する。同社は創業98年、従業員40人で、水門、橋梁、発電設備などの製造を手がける。36年前に技能実習制度の前身となる研修生制度から外国人材の受入れを始め、現在は技能実習、特定技能、技術・人文知識・国際業務、永住者など複数の在留資格を持つ従業員が働いている。ミャンマー出身で10年以上勤務する従業員や、ハノイ工科大学からのインターン受入れ後に内定へ進んだ事例も紹介される。
神奈川労働局によると、県内の外国人労働者は2025年10月末時点で14万8,888人、雇用事業所は2万4,200か所となり、いずれも届出義務化後の最多を更新した。労働者数は前年から11.0%増えており、採用後の雇用管理や職場定着は一部の企業だけの課題ではなくなっている。ただし、定着を労働者本人の日本語能力や適応努力だけに帰することはできない。業務内容、評価方法、相談経路、生活情報への接続を雇用主側が点検する必要がある。
厚生労働省の外国人雇用管理指針は、国籍を理由とする賃金や労働時間などの差別的取扱いを禁じ、労働条件を本人が理解できる方法で明示するよう事業主に求めている。税金、雇用保険、社会保険料など賃金から差し引かれる項目の説明も対象となる。職場定着は人材確保策であると同時に、外国人労働者が対等な労働者として情報を得て、能力を発揮できる環境を整える実務でもある。KIFは専用フォームで7月27日のセミナー参加申込みを受け付けている。
公益財団法人かながわ国際交流財団「外国人材支援事業(経営者および採用担当者向け)」
URL:https://www.kifjp.org/workplace/employer
神奈川労働局「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」
URL:https://jsite.mhlw.go.jp/kanagawa-roudoukyoku/content/contents/002543330.pdf
厚生労働省「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」
URL:https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00005370&dataType=0&pageNo=1

