1.鳥取県が6月30日に鳥取市、7月1日に米子市でカスタマーハラスメント対策の解説セミナーを開く。
2.改正労働施策総合推進法により、2026年10月1日から事業主のカスハラ防止措置が義務化される。
3.従業員を保護する体制と、正当な苦情や合理的配慮の申出を排除しない判断基準の双方を扱う。

鳥取県商工労働部雇用人材局雇用・働き方政策課は、カスタマーハラスメント対策の義務化を前に、県内企業の経営者や人事担当者らを対象とする解説セミナーを鳥取市と米子市で開く。鳥取会場は2026年6月30日午後1時30分から、とりぎん文化会館第2会議室。米子会場は7月1日午後1時から、米子コンベンションセンター第7会議室で実施する。定員は各80人、参加費は無料で、申込期限は6月28日となっている。
2025年6月11日に公布された改正労働施策総合推進法により、事業主には2026年10月1日からカスハラ防止措置が義務づけられる。対象となるのは、顧客、取引先、施設利用者などの言動のうち、社会通念上許容される範囲を超え、労働者の就業環境を害するもの。対面だけでなく、電話やSNSなどインターネット上の行為も含まれる。企業は、カスハラに毅然と対応して労働者を保護する方針の明確化、相談体制の整備、発生後の迅速な事実確認と被害者への配慮、再発防止などを社内制度として実施する必要がある。
セミナーでは、株式会社エス・ピー・ネットワーク執行役員でCS企画推進部を担当する西尾晋氏が講師を務める。法律の解説に加え、対応をめぐる動向と注意点、働きやすい職場づくりに向けた社内体制整備を扱い、鳥取・米子の両会場で同じ内容を講義する。施行日まで約3か月となる中、単に禁止事項を掲示するだけでなく、誰が相談を受け、どの段階で管理職や警察、弁護士につなぐのかを社内で決める作業が企業実務の中心となる。管理職だけでなく、窓口担当者や現場責任者への周知・研修も、施行前の準備項目となる。
カスハラ対策は、暴言、威圧、長時間の拘束などから従業員の安全と尊厳を守る制度である。ただし、顧客からの苦情すべてを排除する仕組みではない。厚生労働省は、社会通念上許容される正当な申入れはカスハラに当たらず、障害者が差別的取扱いの是正や合理的配慮を申し出ること自体も該当しないと説明している。企業側の誤った線引きは、消費者の意見表明や障害者の権利行使を妨げるおそれがあるため、従業員保護と顧客対応を二者択一にしない運用が必要になる。
鳥取県のセミナーは、法施行前に経営者と人事担当者が定義、判断基準、相談手順を整理する場となる。鳥取県内の企業は6月28日までに申し込み、6月30日のとりぎん文化会館または7月1日の米子コンベンションセンターで、各社の業種や接客場面に応じた対応体制を検討することになる。
鳥取県「いよいよ義務化!カスハラ対策徹底解説セミナーの開催」
URL:http://db.pref.tottori.jp/pressrelease.nsf/webview/42E5457375F2A45249258DF60008D640?OpenDocument
鳥取県「いよいよ義務化!カスハラ対策徹底解説セミナー」
URL:https://www.pref.tottori.lg.jp/328900.htm
厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html
厚生労働省「あかるい職場応援団 カスタマーハラスメントとは」
URL:https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/foundation/harassment_list/customer-hara/

