1.国立重監房資料館が6月20日、群馬県庁で前橋出張トークイベントを開く。
2.テーマは「人権課題と近現代考古学」。重監房跡や知覧飛行場跡の調査成果を扱う。
3.ハンセン病問題を、証言だけでなく発掘調査・資料保存から考える機会となる。

国立重監房資料館は6月20日、前橋市大手町一丁目の群馬県庁2階ビジターセンターで、前橋出張トークイベント「人権課題と近現代考古学~『収監・隔離の記憶』を掘る~」を開く。時間は午後1時から午後5時まで。参加費は無料で、現地参加は先着100人、申込不要。オンライン配信も行い、オンライン参加は6月15日までに専用フォームから申し込む。
主催は国立重監房資料館。群馬県健康福祉部感染症・疾病対策課が共催し、日本考古学協会、群馬県埋蔵文化財調査事業団、鹿児島県考古学会、東京考古談話会が後援する。笹川保健財団は、国立ハンセン病資料館等の運営業務を厚生労働省から受託しており、今回の催しも厚生労働省受託事業として周知している。
重監房とは、群馬県草津町の国立療養所栗生楽泉園の敷地内にあったハンセン病患者を対象とする懲罰用建物で、正式名称は「特別病室」とされた。重監房資料館によると、1938年に建てられ、1947年まで使われ、延べ93人が収監され、そのうち23人が亡くなったとされる。治療を目的とする病室ではなく、療養所長に認められていた懲戒検束権の下で患者を処罰する施設であった点に、ハンセン病隔離政策の深刻な人権侵害が表れている。
プログラムでは、群馬県による栗生楽泉園の紹介、重監房資料館による「重監房」とは何かの解説に続き、能登健氏が「重監房」跡の発掘調査を回想する。谷川章雄・早稲田大学名誉教授は「近現代考古学の現在~高輪築堤跡と重監房跡の発掘から~」を講演し、上田耕氏と大山勇作氏は、鹿児島県の知覧飛行場跡の発掘調査と「隔離」の記憶を取り上げる。終盤には「ハンセン病問題と近現代考古学~記録・記憶・証言と現場検証~」をテーマにトークショーを行う。
ハンセン病問題をめぐる啓発は、患者・元患者や家族の証言、国の隔離政策、裁判、補償制度を軸に語られることが多い。今回の催しは、そこに「現場を掘る」という手法を加える点に特徴がある。建物の基礎、遺構、発掘資料は、差別や隔離が抽象的な制度ではなく、特定の場所、構造物、管理の仕組みとして実在したことを示す。証言を補い、記録の空白を埋める作業は、被害者の名誉回復や次世代への人権教育にも関わる。
6月22日は「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」とされている。厚生労働省は2009年度から、補償法の施行日である同日を追悼と名誉回復の日と定めている。前橋出張トークイベントは、その直前に開かれる催しとなる。問い合わせは重監房資料館の黒尾・鎌田両担当者が受け付ける。
公益財団法人笹川保健財団、国立重監房資料館、厚生労働省
URL:https://www.shf.or.jp/information/28282
URL:https://www.nhdm.jp/sjpm/2026/05/20260513_1/
URL:https://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/06/h0617-1.html

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