北田桃子教授にIMOジェンダー平等賞 日本推薦で最高位

この記事のポイント

1.国際海事機関(IMO)の2026年「ジェンダー平等賞」に、世界海事大学(WMU)の北田桃子教授が選ばれた。
2.日本がノミネートした北田教授は、27候補の中から最高位の同賞を受賞し、5月18日にロンドンのIMO本部で授賞式が行われた。
3.15年間で115か国・1,700名以上を指導した実績が評価され、海事分野の女性リーダー育成が国際的に扱われた事例となる。

北田桃子教授

国際海事機関(IMO)は5月18日、英国ロンドンのIMO本部で2026年「ジェンダー平等賞」の授賞式を行い、日本がノミネートした世界海事大学(WMU)の北田桃子教授を受賞者として表彰した。国土交通省が5月21日に公表したもの。IMOジェンダー平等賞は、海事分野でのジェンダー平等の取組推進に貢献した人物・団体を称える賞で、2024年に創設された。

2026年は27候補の中から、最高位の「ジェンダー平等賞」1名と表彰状7名が選ばれた。北田教授は三級海技士で、英カーディフ大の社会科学博士。2011年からスウェーデン・マルメの世界海事大学に勤務し、WMU教務部長、海事教育訓練学科長、ジェンダー平等・多様性委員会座長として、海事分野の研究・教育活動に携わってきた。

国土交通省によると、北田教授は15年にわたり、延べ115か国・1,700名以上の学生を指導した。このうち女性は約600人に上る。今回の受賞は、世界各国の海事分野で女性リーダーの育成に貢献してきた国際的な教育実績が評価されたものだ。授賞式に合わせ、IMOとWMUは北田教授が執筆したジェンダー平等推進に関するハンドブックも刊行した。

海事分野のジェンダー平等は、女性の登用数だけで測れる課題ではない。船員教育、海事行政、港湾・物流、海運企業の管理部門など、海をめぐる産業と制度は国境を越えてつながる。そこで女性が教育を受け、意思決定に参加し、専門職として継続的に働ける環境をどう作るかは、雇用機会の平等と職業選択の自由に関わる人権上の論点を含む。

今回の事例は、日本国内の表彰ではなく、IMOという国際機関が海事教育の実績を評価した点に特徴がある。世界海事大学で学ぶ学生は各国の海事行政や産業に戻り、制度設計や教育訓練に関わる立場になり得る。北田教授の教育活動が115か国に及ぶことは、ジェンダー平等の知見が一国の施策にとどまらず、国際的な海事人材ネットワークを通じて広がる可能性を示している。

国土交通省海事局総務課国際企画調整室は、北田教授の受賞を報道発表として周知。IMOとWMUが刊行したハンドブックはWMUホームページで公表されており、北田教授の研究・教育実績は、海事分野で女性の参画を進める実務資料としても参照されることになる。

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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