内閣官房、英国自然史博物館返還のアイヌ遺骨で申請受付

この記事のポイント

1.内閣官房が、英国自然史博物館から返還されたアイヌ遺骨の地域返還手続を進めている。
2.今回の対象は千島列島を出土地域とする遺骨で、申請期間は令和8年5月19日から11月19日まで。
3.返還申請は、出土地域に居住する又は縁のあるアイヌの人々を中心に構成された団体が対象となる。

アイヌの人々に対する偏見や差別をなくそう

内閣官房アイヌ総合政策室は、英国の自然史博物館から返還されたアイヌの人々の遺骨について、千島列島を出土地域とする遺骨の返還申請を受け付けている。申請期間は令和8年5月19日から同年11月19日までの6か月間。返還を希望する団体は、内閣官房アイヌ総合政策室に連絡した上で、所定の手続に従って申請書類を提出する。

対象となるのは、出土地域に居住する又は縁のあるアイヌの人々を中心に構成された「出土地域アイヌ関係団体」。申請団体には、返還を希望する遺骨の出土地域との関係に加え、返還後の祭祀供養方法を確認するための書類提出が求められる。遺骨の引渡しに先立ち、地域との関係性と慰霊の方法を確認する仕組みである。

手続は、平成30年12月に関係省庁が定めた「大学の保管するアイヌ遺骨等の出土地域への返還手続に関するガイドライン」等の趣旨に沿って進められる。今回の遺骨は国内大学ではなく英国自然史博物館から返還されたものだが、内閣官房は同ガイドライン等の考え方を踏まえ、出土地域への返還手続を行う形を採っている。

内閣官房が申請団体を地域返還団体として適切と確認した場合、当該遺骨について返還申請があったことを公表する。公表時に団体名や氏名は明らかにしない。その後、他の団体からの申請等がないかを確認する期間を設ける。確認期間は、内閣官房が地域返還の申請を周知した日から3か月を経過する日、又は令和8年11月19日のいずれか遅い日までとなる。

人権上の論点は、海外に持ち出され、研究機関で保管されてきた遺骨を、アイヌの人々の尊厳や祭祀供養、地域との結び付きに関わる存在として扱い直す点にある。返還先の確認、団体名等の非公表、祭祀供養方法の確認は、遺骨をめぐる当事者性と地域性を制度手続の中で慎重に扱うための要素となっている。

返還団体が決まった後は、内閣官房と当該団体が協議し、引渡日時、場所、方法などを決定し、合意書面を交わす。申請窓口は東京都千代田区霞が関二丁目1番2号の内閣官房アイヌ総合政策室で、直通電話は03-3580-1797、FAXは03-3580-1799。受付は祝祭日を除く月曜日から金曜日までとしている。

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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