
東京都は、業界団体や企業におけるカスタマーハラスメント防止対策を後押しするため、令和8年度も奨励金、コンサルティング、セミナー、総合相談窓口などの支援メニューを実施すると案内した。都では、顧客と働く人が対等な立場で互いに尊重し合う公正で持続可能な社会を目指し、2025年4月1日に「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」を施行しており、今回の施策はその実効性を高める取組として位置付けられる。
企業向けでは、条例施行日以降に実践的な防止対策を講じた企業等に40万円の奨励金を支給する予定で、2026年度の募集開始は6月を見込む。業界団体向けには、会員企業向けの防止体制を整備した場合に最大100万円の奨励金を支給し、事前エントリーは5月7日から6月12日まで受け付ける。また、団体向けには専門家を最大5回派遣して防止対策マニュアルの作成を支援する無料コンサルティングも用意し、場面別の課題に応じたセミナーも年4回実施する予定だ。
あわせて、都は電話とWEBフォームによる無料の総合相談窓口を設け、労務管理やメンタルケア、消費者保護に詳しい専門相談員が匿名相談にも応じるとしている。ポスターや動画などの啓発コンテンツ、各種支援策をまとめた「TOKYOノーカスハラ支援ナビ」も活用を促している。カスタマーハラスメントを巡っては、現場任せでは対応が難しく、企業内ルールの整備と業界単位の底上げが課題となってきた。条例施行後の次の段階として、支援策をどこまで現場の行動変容につなげられるかが、安心して働ける労働環境づくりの成否を左右しそうだ。

