資生堂、プライド月間にLGBTQ+応対研修刷新

この記事のポイント

1.資生堂は6月のプライド月間に合わせ、「Diversity Week for LGBTQ+ 2026」を実施する。
2.美容職向けLGBTQ+応対研修を刷新し、店頭対応を想定したケーススタディーを強化する。
3.Tokyo Pride 2026では、聴覚障がいのある来場者に向けて手話での応対も導入する。

Tokyo Pride 2025での資生堂ブース

株式会社資生堂は6月3日、6月のプライド月間に合わせて、LGBTQ+支援の取組を強化すると公表した。社内外に向けた企画として「Diversity Week for LGBTQ+ 2026」を実施し、美容職であるパーソナルビューティーパートナー向けのLGBTQ+応対研修を刷新する。研修では、店頭での実践を想定したケーススタディーを強化し、LGBTQ+当事者の顧客が安心して来店できる応対につなげるとしている。

資生堂は2019年から、美容職を対象にLGBTQ+応対研修を実施してきた。2026年の取組では、昨年開発したトランスジェンダー女性・ノンバイナリーの人向けのメイク情報をもとに、6月26日に「なりたいわたしに近づくメイク講座」も開く。美容サービスは、見た目や身体、性別表現と深く関わる分野であり、接客時の呼称、言葉遣い、案内の仕方が、利用者の心理的安全性を左右しやすい。今回の研修刷新は、企業のDEI施策を社内啓発にとどめず、顧客接点に落とし込む動きといえる。

Tokyo Pride 2026では、資生堂ブースでパーソナルBカラー診断、肌測定、日焼け止めの案内、ブランド「BAUM」のボディ用フレグランス体験などを行う。資生堂による同イベントへの出展は通算8回目。2026年は、LGBTQ+コミュニティの中にいる聴覚障がいのある来場者にも利用しやすいよう、手話美容部員による手話での応対を導入する。性的指向・性自認だけでなく、障がいの有無など複数の属性が重なる「交差性」に配慮した点が特徴となる。

国内外のプライドイベントへの参画も広げる。日本では福岡、名古屋、大阪、札幌など、海外ではケルン、ニューヨーク、台湾などのイベントに参画する。レズビアン女性を中心としたコミュニティイベント「PIAMYフェス2026」への協賛や、NPO法人プライドハウス東京とパナソニック コネクト株式会社が共同で企画する「Pride Action 30」への3年連続協賛も掲げた。

社内向けには、資生堂グループのLGBTQ+当事者・アライの社員が出演するセッション、寺原真希子弁護士を招いた同性婚法制化に関するウェビナー、当事者の声を店頭やオンラインの応対に生かす座談会を行う。資生堂は「資生堂倫理行動基準」で性的指向・性自認などによる差別の禁止を明文化しており、日本国内では2017年に就業規則を改訂し、同性パートナーにも特別休暇、介護制度、育児制度などを適用している。

企業のLGBTQ+施策は、採用や福利厚生だけでなく、商品・サービスを利用する顧客の権利にも関わる。美容分野では、性別に基づく固定的な案内や、本人の望まない呼称、外見への不用意な言及が、サービス利用の障壁になる場合がある。資生堂の今回の取組は、プライド月間の発信に合わせ、研修、イベント出展、手話応対、社内制度を組み合わせたものとなる。

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

人権ニュース編集部をフォローする
ビジネス
シェアする
タイトルとURLをコピーしました