1.福井県が福祉と教育の双方と連携する子ども・親子の居場所事業に最大50万円を支給する
2.県内2市町以上で展開する新規・拡充事業が対象で、採択は5件程度を予定する
3.子ども自身の参画に加え、「23歳以上」「2市町以上」という応募条件が活動主体に与える影響も確認する必要がある

福井県は2026年8月21日、「ふくいのこども・子育てSMILE UP応援金」の募集内容を公表した。福祉部門と教育部門の双方と連携し、子どもや親子の居場所づくり、地域交流などに取り組む非営利の個人・団体を支援する。1事業当たりの上限は50万円で、採択は5件程度。対象は新規事業または既存事業の拡充で、県内2市町以上にまたがって実施し、国や地方公共団体の別の助成を受けていないことなどを条件としている。応募期限は10月9日午後5時である。
県が例示する事業には、不登校の子どもを対象に公民館などで学習・交流スペースを開き、家庭への福祉情報提供や学校との調整を組み合わせる取組、外国籍の親子に日本語学習、保護者支援、教員OBによる学習支援を行う取組がある。施設を開設するだけではなく、教育と福祉を横断して支援をつなぐ構造を審査対象にしている。こども家庭庁が2023年12月に策定した「こどもの居場所づくりに関する指針」も、居場所を単なる物理的な場所に限定せず、子ども本人の声を中心に据えて整備する考え方を示している。
応募資格にも制度設計上の特徴がある。個人の場合は23歳以上、グループ・団体の場合も23歳以上の者を主な構成員とすることが要件となる。このため、10代後半から20代前半の若者が当事者主体で活動していても、その構成だけでは直接応募できない場合がある。また「2市町以上」での実施は広域的な波及を促す半面、一つの地域で小規模に活動する居場所には参入条件となる。これらは制度の欠陥と即断できるものではないが、採択団体の規模や地域分布を事後に確認することで、応募条件がどのような活動を選別したかを検証できる。こども基本法第11条との関係では、採択された事業が子どもをサービスの受け手だけでなく、企画や運営、評価に参加する主体として扱っているかも一つの評価材料になる。
募集ページには日程上、応募者が確認した方がよい記載もある。対象事業の要件には完了時期を「令和10年度2月末日」とする記述がある一方、同じページの事業スケジュールでは「令和10年2月末まで」としている。「令和10年度2月」であれば2029年2月、「令和10年2月」であれば2028年2月となり、表記上は1年の差が生じる。福井県がどちらを正式な期限としているかはページ内の記述だけでは確定できないため、申請者はこども未来課への確認が必要である。県は審査で「安心感と選択肢の拡大」「波及効果」「持続性」などを見るとしており、50万円の支援終了後まで含めた事業設計が採択後の検証事項となる。
福井県「ふくいのこども・子育てSMILE UP応援金」
URL: https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/kodomo/smile-up.html
こども家庭庁「こどもの居場所づくり」
URL: https://www.cfa.go.jp/policies/ibasho
こども家庭庁「こども基本法に基づくこども施策の策定等へのこどもの意見の反映について」
URL: https://www.cfa.go.jp/laws/kodomo-kihon-iken/
こども家庭庁「法令・こども基本法」
URL: https://www.cfa.go.jp/laws

