1.ヒューマンライツ・ナウは10月2日、日本の映画界における#MeToo以後の状況をテーマにオンラインイベントを開催する。
2.俳優・映画監督の睡蓮みどり氏と、#KuTooなどで活動してきた石川優実氏が登壇する。
3.2023年の刑法改正では社会的・経済的な立場による影響力も不同意性交等罪・不同意わいせつ罪の判断要素となり、業界内の力関係と性的同意を考える法的環境も変化した。
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告発の「その後」を扱うオンライン企画
認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウ(HRN)は2026年10月2日午後7時から9時まで、「映画業界における#MeToo」を扱うオンラインイベントをZoomで開催する。参加費は無料で、俳優・映画監督の睡蓮みどり氏と、石川優実氏が登壇する。
HRNは開催趣旨の中で、日本の映画界でも性暴力やハラスメントを訴える声が表面化した一方、すべての事案で司法判断や補償が行われたわけではなく、業界内の権力関係を含めた問題が残っているとの認識を示している。ここでいう業界の状況についてはHRNおよび登壇者による問題提起と、裁判などで認定された個々の事実を区別して読む必要がある。
2023年刑法改正で何が変わったか
性犯罪に関する刑法は2023年に改正され、同年7月13日、従来の強制性交等罪・準強制性交等罪などを再構成した「不同意性交等罪」「不同意わいせつ罪」が施行された。改正法は、同意しない意思を形成、表明、全うすることが困難な状態を生じさせる原因として、暴行・脅迫だけでなく、アルコール、薬物、恐怖、虐待による心理的反応などを列挙している。
特に職場や業界内の関係と接点を持つのが、「経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力による不利益の憂慮」である。法務省資料では上司と部下、教師と生徒などが例示されている。ただし、地位の差が存在するだけで直ちに犯罪が成立するわけではない。個別事案ごとに、法律上の要件を満たしたかが判断される。
業界慣行と刑事責任は分けて考える
映画制作では、監督、プロデューサー、出演者、スタッフなどの間に役割や契約上の権限差が生じる場合がある。そうした関係を改善する労務管理・ハラスメント対策と、刑法上の性犯罪が成立するかどうかは同じ問題ではない。刑事責任に至らない行為でも職場環境上の問題となる場合があり、逆に業界内部の自主ルールだけで刑事法上の問題が処理されるわけでもない。
10月2日のHRNイベントは、睡蓮氏と石川氏による経験や問題提起を通じ、#MeToo以後に映画界で何が変化し、何が残っているのかを議論する予定となっている。2023年刑法改正という法制度の変化と、制作現場の慣行・相談体制を分けて整理することが、イベント内容を理解するうえでの基礎となる。
ヒューマンライツ・ナウ「映画業界における#MeToo」に関するイベント案内
URL: https://hrn.or.jp/news/29518/
法務省「刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律」
URL: https://www.moj.go.jp/content/001417852.pdf

