1.尾道市は12月25日、精神科医の松本俊彦氏を招き、こころの健康づくりと孤独・孤立対策の講演会を開催する。
2.講演では「自立とは、良い依存先を増やすこと」をテーマに、人とのつながりと心の健康を考える。
3.参加無料、申し込み不要で、誰でも参加できる。市は電話やSNSなどで利用できる相談窓口も案内している。

精神科医・松本俊彦氏が「自立」をテーマに講演
広島県尾道市は2026年12月25日、尾道市総合福祉センターで「こころの健康づくり・孤独孤立対策講演会」を開催する。講師は、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部長で精神科医の松本俊彦氏。演題は「人とのつながりがくれる力とは?~『自立』とは、良い依存先を増やすこと こころをラクにするヒントを知る~」としている。
講演会は午後1時30分から3時まで。参加費は無料で、事前申し込みは不要。年齢や職業などによる参加対象の制限は設けられていない。
講師の松本俊彦氏とは
松本氏は、精神科医として依存症や自傷行為、若者の精神保健などについて研究や臨床に携わっている専門家である。
今回の講演テーマにある「良い依存先を増やす」という考え方は、自立を「誰にも頼らず生活できること」と同一視しない点に特徴がある。
例えば、体調を崩したときには医療機関を利用し、仕事で困ったときには同僚に相談し、生活上の問題があれば行政の支援制度を使う。こうした行為はいずれも他者や制度を頼ることだが、必要な支援を利用できることは、自分の生活を維持するための能力でもある。
頼れる相手や場所が一つに集中している場合、その関係が変化すると生活への影響が大きくなる可能性がある。複数の相談先や人間関係を持つことは、困難に対応するための選択肢を増やすことにつながる。
ただし、他者との交流を増やせば、必ず孤独が解消されるという意味ではない。人との関わり方や必要とする支援は、人によって異なる。
孤独と社会的孤立は異なる概念
孤独は、本人が人とのつながりを十分に感じられず、寂しさや苦痛を覚える主観的な状態を指す。
これに対して、社会的孤立は、他者との接触や社会的なつながりが乏しい状態を意味する。
人との交流が多くても孤独を感じる場合があり、一人で過ごす時間が長くても孤独を感じない人もいる。したがって、同居する家族の人数や友人の数だけで、本人が孤独を感じているかどうかを判断することはできない。
孤独・孤立の問題は、退職、転居、病気、子育て、介護、家族関係の変化など、様々な生活上の出来事とも関係する。
支援を考える際には、本人がどのようなつながりを希望し、何に困っているのかを理解することが基本となる。
孤独・孤立対策推進法が定める仕組み
2024年4月には「孤独・孤立対策推進法」が施行された。
同法は、孤独や孤立によって生じる問題に国や地方公共団体などが対応するための基本的な枠組みを定めている。関係機関が連携して相談支援などを進めることや、当事者の状況に応じた支援を行うことを基本としている。
孤独・孤立の問題では、本人が支援を必要としていても、相談先を知らない、相談することに抵抗を感じる、相談窓口まで行くことが難しいといった事情が生じる場合がある。
そのため、制度を設けるだけでなく、相談方法や利用できる支援を分かりやすく伝えることも、施策の一部となる。
電話やSNSによる相談先も案内
尾道市は講演会の案内に併せ、こころの健康や生活上の悩みに関する相談窓口を紹介している。
電話による相談だけでなく、SNSを利用した相談や、様々な悩みについて情報を得られる外部サイトへの案内も掲載している。
対面で相談することが難しい人や、誰に相談すればよいか分からない人にとって、複数の方法から相談先を選べることは、支援につながる可能性を広げる。
家族や身近な人が相談先を知っておくことも、本人を支える方法を考える際に役立つ。
申し込み不要で参加可能
会場は尾道市門田町22番5号の尾道市総合福祉センター4階大会議室。問い合わせは尾道市健康推進課元気づくり係(0848-24-1962)で受け付ける。
講演会では、人とのつながりが心の健康に与える影響や、他者を頼ることと自立の関係について学ぶ。
尾道市は、松本氏による講演と相談窓口の案内を通じ、孤独や孤立に関する理解を深め、必要な支援を知る機会を提供する。
尾道市「こころの健康づくり・孤独孤立対策講演会のお知らせ」
URL:https://www.city.onomichi.hiroshima.jp/soshiki/19/93824.html
