参院選「1票の格差」最高裁で結審 最大3.13倍、年内統一判断へ

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この記事のポイント

1.最高裁大法廷は10月7日、最大3.13倍だった2025年参院選の「1票の格差」をめぐる選挙無効訴訟の上告審弁論を開き、結審した。
2.全国の高裁・高裁支部による16件の判断は「違憲状態」11件、「合憲」5件に分かれ、最高裁が年内にも統一判断を示す見通しとなった。
3.前回2022年参院選の最大格差3.03倍から拡大しており、人口減少と地域代表を考慮しながら投票価値の平等をどう確保するかが改めて問われる。

日本の選挙と司法の情景
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最高裁大法廷で16件を一括審理

最高裁判所大法廷(今崎幸彦裁判長)は10月7日、2025年7月20日の参議院議員通常選挙について、選挙区間の「1票の格差」が憲法に反するとして選挙人が選挙無効を求めた訴訟の上告審弁論を開き、即日結審した。選挙当時の議員1人当たりの選挙人数の最大格差は3.13倍。全国14の高裁・高裁支部で審理された16件は、11件が「違憲状態」、5件が「合憲」と判断しており、選挙を無効とした判決はない。最高裁は年内にも統一判断を示す見通しである。

前回3.03倍から格差が再び拡大

参院選の選挙区では、人口の少ない県にも一定の議員を確保する仕組みと、人口に応じて投票価値をできる限り平等にする要請との調整が続いてきた。2015年の公職選挙法改正では、4県を2つの選挙区にまとめる「合区」が導入され、かつて5倍前後に達していた最大格差は約3倍まで縮小した。しかし、2019年参院選の3.00倍、2022年の3.03倍に続き、2025年には3.13倍へ拡大した。今回の訴訟資料では、格差3倍以上の選挙区の有権者が約2120万人に上り、全有権者の約2割を占めたことも示されている。

2023年最高裁は「喫緊の課題」と指摘

最高裁大法廷は2023年10月18日、最大3.03倍だった2022年参院選について、定数配分規定を合憲と判断した。ただし、選挙制度の抜本的な見直しを含め、格差の是正を図ることを「喫緊の課題」として国会に対応を促した。今回の原告側は、その後も制度の抜本的な変更が行われず、格差が3.13倍へ拡大したことを問題視する。これに対して選挙管理委員会側は、参議院には地域代表的な性格もあり、国会が是正への検討を続けている中で3.13倍という数値だけをもって違憲とはいえないと主張した。

「3倍なら違憲」という単純な線引きではない

「1票の格差」は、単に選挙区ごとの人数を同じにすれば解決する問題ではない。最高裁は、選挙権の内容の平等、すなわち投票価値の平等を憲法上の要請としつつ、選挙制度の設計について国会に一定の裁量を認めてきた。このため、格差が何倍になれば自動的に違憲になるという固定的な数値基準は設けられていない。格差の程度だけでなく、それが生じた経緯、国会による是正措置、参議院の役割、選挙制度全体の構造などが合わせて判断される。

住所によって票の重みが変わる問題

人権上の核心は、有権者の住所によって政治的意思を国政へ反映する力に差が生じる点にある。同じ1票でも、人口の多い選挙区では議員1人を選ぶためにより多くの票が必要となる。これは憲法上の平等と参政権に直接関係する。他方、人口だけを厳格に基準とすれば、人口減少地域の議席が減り、地域の意見を国政へ反映する仕組みが弱まるとの問題もある。投票価値の平等と地域代表をどう両立させるかが、参院選挙制度では繰り返し問われてきた。

今回の最高裁判断で確認すべきなのは「3.13倍」という数字だけではない。2023年判決が国会に示した是正要求を、その後の立法過程と人口変動を踏まえて最高裁がどう評価するかが重要になる。最高裁大法廷が違憲状態と判断するのか、従来どおり合憲状態と判断するのか、さらに国会へどの程度具体的な制度改革を促すのかによって、次回以降の参院選の選挙区制度にも影響する可能性がある。

出典

最高裁判所「最高裁判所開廷期日情報」
URL:https://www.courts.go.jp/saikosai/kengaku/saikousai_kijitsu/index.html

最高裁判所「令和5年10月18日大法廷判決・選挙無効請求事件」
URL:https://www.courts.go.jp/saikosai/about/saibankan/watanabe_05/index.html

最高裁判所「2025年参議院議員通常選挙をめぐる選挙無効訴訟判決資料」
URL:https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-95010.pdf

テレビ朝日「参院選“一票の格差”訴訟 最高裁で弁論 判決は年内の見通し」
URL:https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000538563.html

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人権ニュース編集部

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