港区、映画「新・あつい壁」とまち歩きで人権史 菊池事件も

この記事のポイント

1.港区は10月14日と23日、「人権連続講座みなと2026」を開催し、映画上映と地域のまち歩きを組み合わせる。
2.第1回ではハンセン病隔離政策と菊池事件を扱う映画「新・あつい壁」を上映し、国立ハンセン病資料館の職員が解説する。
3.第2回では部落差別、感染症研究、アイヌ政策に関係する港区内の場所を巡り、過去の制度と現在の地域空間を結び付けて学ぶ。

「人権連続講座みなと2026」

港区は2026年10月14日と23日、「人権連続講座みなと2026」を開催する。第1回は東京都人権プラザで映画「新・あつい壁」を上映し、第2回は「人権・平和まち歩き」として港区内を巡る。参加は無料で、両講座に手話通訳を用意し、第1回には保育も設ける。講演を聴くだけではなく、映像と地域の場所そのものを教材にする構成となっている。

10月14日の「新・あつい壁」は、ハンセン病患者とされた男性が殺人事件で死刑判決を受けた「菊池事件」と、その時代の隔離政策を題材とする。2026年は「らい予防法」が廃止されて30年となる。同法は1996年に廃止されたが、日本では法律に基づく隔離政策が長期間続き、元患者や家族への差別にも深刻な影響を残した。

10月23日のまち歩きでは、部落差別に関係する地域、東京都人権プラザ、感染症研究に関係する場所、開拓使仮学校などを巡る。港区の案内では、開拓使仮学校にアイヌの人々が連れてこられた歴史にも触れる。現在の街並みだけを見れば別々の問題に見える部落差別、感染症政策、アイヌ政策を、同じ都市空間に残る地域史から学ぶ企画である。

過去の差別を学ぶ際には、「昔は差別があった」という知識だけで終わらせないことが必要になる。ハンセン病隔離政策には法律と行政が直接関与し、菊池事件ではハンセン病患者をめぐる司法手続の問題が長く指摘されてきた。部落差別やアイヌへの政策にも制度や社会構造が関係している。港区が映画と現地学習を組み合わせる講座は、差別を個人の偏見だけではなく、法制度や行政、地域の歴史から検討する機会となる。

出典

港区「『人権連続講座みなと2026』を開催します」
URL:https://www.city.minato.tokyo.jp/jinken/renzokukouza2022.html

厚生労働省「らい予防法の廃止に関する法律」
URL:https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/hansen/hourei/8.html

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、裁判所、企業、公益団体、国際機関などが公表する一次情報を確認し、差別、子ども、障害者、高齢者、教育、福祉、司法・制度、外国人、ビジネスと人権などに関するニュース、制度解説、独自調査を発信しています。記事では出典を明示し、事実関係を確認したうえで、関連する法制度や統計、過去の経緯などを参照しながら、人権上の論点や社会的背景を整理しています。

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