1.9月23日に福山市東交流館でLGBTに関する無料相談会が開かれ、福山市外の住民も利用できる
2.個別相談3枠とグループ相談を設け、本人だけでなく家族や身近な人についての相談も対象とする
3.日本の理解増進法と英国Equality Actでは、相談・理解促進と差別禁止という法制度の射程が異なる

廿日市市は2026年9月23日に福山市東交流館で行われるLGBT無料相談会を案内している。本人自身の悩みに加え、家族や身近な人についての相談も対象とし、福山市外に住む人も利用できる。個別相談は午前10時、10時50分、11時40分から各40分、グループ相談は午後1時30分から3時までで途中入退室が可能。いずれも公益財団法人広島県男女共同参画財団への事前予約制となっている。
2023年施行の「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」は、性的指向とジェンダーアイデンティティの多様性に関する理解を広げるため、国、地方公共団体、事業主、学校などの役割を定めた。2026年6月16日には政府が同法に基づく基本計画を閣議決定しており、相談体制を含む施策は新たな段階に入っている。相談窓口は、学校、職場、家庭、医療など複数領域にまたがる悩みを抱える人が、問題を整理し適切な支援先へつながる入口となる。
ただし、理解増進法は、あらゆる領域の個別の差別行為について包括的な損害賠償請求権などを新設した法律ではない。政府自身も同法を理解増進のための制度として説明している。この点は英国のEquality Act 2010と制度構造が異なる。英国法ではsexual orientationやgender reassignmentなどが保護特性に含まれ、雇用、サービス、公的機能など複数領域で差別やハラスメントを規律する。日本にも労働法、民法、自治体条例、裁判例などによる保護があるため「日本には差別への法的対応がない」という整理は正確ではないが、理解促進を中心とする法律と包括的差別禁止法では機能が異なる。
今回の相談会は自治体境界を越えて利用できるため、居住する市町に専門相談がない人にとって選択肢となる。その半面、会場は福山市の一か所で、予約も必要である。対面相談を望む人には利用しやすい一方、遠距離に住む人や外出そのものに心理的負担がある人への別経路も相談体制全体では必要になる。個別相談後、法律、就労、学校、医療など専門的支援が必要と判明した場合に、広島県男女共同参画財団や各自治体がどの機関へつなぐのかまで確認することで、9月23日の相談会を入口とした支援の実効性を判断できる。
廿日市市「LGBT無料相談会」
URL: https://www.city.hatsukaichi.hiroshima.jp/soshiki/30/143717.html
内閣府「性的指向・ジェンダーアイデンティティ理解増進」
URL: https://www8.cao.go.jp/rikaizoshin/
内閣府「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する基本計画」
URL: https://www8.cao.go.jp/rikaizoshin/kihon/index.html
e-Gov法令検索「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」
URL: https://laws.e-gov.go.jp/law/505AC1000000068
英国政府「Equality Act 2010 Code of Practice」
URL: https://www.gov.uk/government/publications/equality-act-2010-code-of-practice-for-services-public-functions-and-associations-2026/equality-act-2010-draft-code-of-practice-for-services-public-functions-and-associations-2026
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