葛飾区が人権講座全3回を開催 同和問題・ハラスメント・子どもの権利を学ぶ

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この記事のポイント

1.葛飾区が11月14日、20日、27日、男女平等推進センターで人権講座を開催する。各回先着30人で参加無料。
2.中央大学教授の池田賢市さん、株式会社Tree代表の吉村園子さん、弁護士の山下敏雅さんが専門分野から講義する。
3.同和問題、ハラスメント、子どもの意見表明を取り上げ、関連法令や日常生活とのつながりを学ぶ。

葛飾区の令和8年度人権講座全3回
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大学教員、企業経営者、弁護士が講師を担当

東京都葛飾区は2026年11月14日、20日、27日の3日間、男女平等推進センター(ウィメンズパル)3階洋室Aで「令和8年度人権講座」を開催する。時間はいずれも午後2時から4時までで、参加費は無料。全3回の連続講座だが、関心のある回だけを受講することもできる。各回の定員は先着30人で、区民以外も参加可能。電話またはオンライン申請で各回前日の正午まで申し込める。講座は「かつしか区民大学」の単位認定講座で、「モンチャレポイント」の付与対象にもなっている。

同和問題を歴史と現在の差別から理解

11月14日の第1回は、中央大学文学部教授の池田賢市さんが「同和問題から学ぶ人権~知ることから始めよう~」をテーマに講義する。池田さんは教育制度・行政学、比較教育学、人権教育などを専門とし、教育制度と人権の関係を研究している。同和問題を扱う講座では、歴史的な経緯だけでなく、差別を生み出す社会の仕組みを理解することも学習の対象となる。

同和問題とは、日本社会の歴史的な身分差別に由来し、特定の地域の出身であることなどを理由に、結婚、就職、地域生活などで差別や偏見を受ける問題を指す。現在も続く課題への対応として、2016年12月には「部落差別の解消の推進に関する法律」が施行された。同法は、部落差別が現在も存在するとの認識を明記し、相談体制の充実、人権教育・啓発、実態調査などを規定している。個別の差別行為を直接処罰する罰則は設けていない。部落差別の歴史を知ることと、現在起きている差別を理解することは、別々ではなく関連する学習となる。

ハラスメントの基礎と相手への伝わり方

11月20日の第2回は、株式会社Tree代表取締役の吉村園子さんが「ハラスメントの基礎知識~その言動、ハラスメントかも?~」を担当する。吉村さんは上級心理カウンセラー、行動心理士として活動し、心理学に関する講座やカウンセリング、研修などに携わっている。講師の公式プロフィールによれば、医療従事者として勤務した経験を持ち、2021年に株式会社Treeを起業した。

ハラスメントとは、相手の尊厳や就業環境などを損なう言動を指す言葉として広く使われている。ただし、法律や制度上の定義は種類によって異なる。例えば職場のパワーハラスメントは、優越的な関係を背景とした言動であり、業務上必要かつ相当な範囲を超え、労働者の就業環境が害されるという3つの要素をすべて満たすものを指す。適正な業務指導や、相手が不快に感じたすべての言動が直ちに該当するわけではない。

ハラスメントの防止を考える際には、本人の意図と実際の言動の影響を区別する必要がある。悪意がない言動でも問題になる場合がある一方、法的な該当性を判断する際には具体的な事情の確認が必要になる。日常の会話や職場での意思疎通を考えるためにも、こうした基本的な違いを知ることが役立つ。

子どもの声を聴くことと権利の尊重

11月27日の第3回は、弁護士の山下敏雅さんが「子どもの声を聴こう~子どもの権利と大人の役割~」をテーマに講義する。山下さんは子どもの権利に関する講演活動にも携わり、2024年には東京都台東区の人権講座「子供の権利を守るための基礎知識」でも講師を務めた。子どもの権利を大人がどのように理解し、日常生活の中で尊重するかという問題は、家庭や学校など幅広い場面に関係している。

子どもの権利条約第12条は、自分に影響を及ぼすすべての事柄について、子どもが自由に意見を表明する権利を定めている。意見は年齢や成熟度に応じて相応に考慮される。これは、子どもの希望をすべて無条件に実現するという意味ではない。子どもの安全や利益なども考慮しながら、その意見を適切に聴き、尊重するという考え方である。

日本では2023年4月に「こども基本法」が施行された。同法は、こどもの意見表明機会の確保や意見の尊重を基本理念として掲げ、第11条では、国や地方公共団体がこども施策を策定、実施、評価する際に、こどもや子育て当事者などの意見を反映するための措置を講ずるよう定めている。家庭で子どもの意見を聴くことと、行政が政策形成に子どもの意見を反映することは異なるが、子どもを権利の主体として尊重する点で共通する。

関心のある1講座だけでも受講可能

今回の3回は、同和問題、ハラスメント、子どもの権利と、異なる分野を扱う。いずれも本人の尊厳や意思をどのように尊重するかという共通の課題につながっている。差別の歴史を知ること、日常の言動を見直すこと、子どもの声に耳を傾けることは、それぞれ異なる実践でありながら、人権についての理解を広げる機会となる。

申込先は葛飾区人権推進課人権施策推進係で、電話番号は03-5654-8148。電話申込では講座名、氏名、連絡先などを伝える。保育の申込期限は11月4日午前10時となっており、同日午後の公開時点では経過している。講座への申込期限とは異なるため、保育を希望する人は区に利用の可否を確認する必要がある。葛飾区は、大学教員、心理学の専門家、弁護士を迎えた全3回の講座を通じ、区民らが身近な人権課題を学ぶ機会を提供する。

出典

葛飾区「令和8年度 人権講座 全3回」
URL:https://www.city.katsushika.lg.jp/event/1000106/1043421.html

中央大学「研究者詳細 池田賢市」
URL:https://c-research.chuo-u.ac.jp/html/100003275_ja.html

株式会社Tree「代表挨拶・吉村園子プロフィール」
URL:https://www.tree-cocoro.com/prf/

台東区「人権講座 子供の権利を守るための基礎知識」
URL:https://www.city.taito.lg.jp/kurashi/jinken/mondai/jinkenkouza/jjinkenkouzakodomo.html

法務省「部落差別の解消の推進に関する法律」
URL:https://www.moj.go.jp/content/001211040.pdf

こども家庭庁「こども基本法」
URL:https://www.cfa.go.jp/policies/kodomo-kihon

こども家庭庁「こども基本法に基づくこども施策の策定等へのこどもの意見の反映について」
URL:https://www.cfa.go.jp/laws/kodomo-kihon-iken/

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人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、裁判所、企業、公益団体、国際機関などが公表する一次情報を確認し、差別、子ども、障害者、高齢者、教育、福祉、司法・制度、外国人、ビジネスと人権などに関するニュース、制度解説、独自調査を発信しています。記事では出典を明示し、事実関係を確認したうえで、関連する法制度や統計、過去の経緯などを参照しながら、人権上の論点や社会的背景を整理しています。

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