1.「部落解放・人権文化フォーラム2026」が11月27日、東京都千代田区の日本教育会館で開催される。
2.2016年に施行された障害者差別解消法、ヘイトスピーチ解消法、部落差別解消推進法の「人権三法」10年を主要テーマとする。
3.三法は対象や法的効果が異なり、主催者が掲げる包括的反差別法などの政策要求とも分けて整理する必要がある。

林陽子氏が「人権三法施行10年」を講演
部落解放・人権文化フォーラム実行委員会は11月27日、東京都千代田区の日本教育会館で「部落解放・人権文化フォーラム2026」を開催する。午後1時からの全体会では、元国連女性差別撤廃委員会委員長で弁護士の林陽子氏が「人権三法施行10年」をテーマに記念講演する。参加費は1人4,000円で、申し込み締め切りは11月18日。会場ではUDトークも利用できるとしている。
午後3時20分からは5分科会に分かれ、「東京の部落差別事件と解放運動」「地域の街づくりと教育・啓発」「部落問題入門」「被差別当事者から見た東京の差別と人権」「職場と人権」を扱う。「職場と人権」では日本経済団体連合会専務理事の長谷川知子氏が、「ビジネスと人権」をめぐる経済団体の役割について報告する。
「人権三法」は一つの制度ではない
一般に「人権三法」と呼ばれるのは、2016年に施行された障害者差別解消法、ヘイトスピーチ解消法、部落差別解消推進法である。ただし、三つの法律は一体の法律ではなく、規制対象も権利義務の内容も異なる。障害者差別解消法には行政機関や事業者による不当な差別的取扱いの禁止、合理的配慮など具体的な規定があるのに対し、ヘイトスピーチ解消法や部落差別解消推進法は相談、教育・啓発、実態把握などを中心とした構造を持つ。
施行10年を検証する場合、「三法があるから差別対策が整った」と一括して評価するのではなく、それぞれの法律がどの場面で誰に何を義務付け、相談や救済にどうつながっているかを制度別に見る必要がある。フォーラムで扱われるネット上の部落差別や職場の人権問題も、三法だけで全ての問題が処理されるわけではない。
主催者の制度要求と現行法を区別
実行委員会は開催案内の中で、インターネット上の部落差別やヘイトスピーチなどを挙げ、包括的反差別法や国内人権機関の設置を求める立場を示している。これはフォーラム主催者側の政策上の主張であり、日本にすでに包括的反差別法や独立した国内人権機関が存在するという意味ではない。現行制度についての説明と、主催団体が望む制度改正は明確に分けて読む必要がある。
開催案内は、2025年4月に施行された情報流通プラットフォーム対処法にも触れている。インターネット上の人権侵害を考える際には、差別問題に関する個別法と、プラットフォーム事業者による削除申出への対応や手続の透明化を扱う制度を混同しないことも欠かせない。11月27日のフォーラムでは、2016年の三法を出発点としながら、ネット、企業活動、教育などへ論点を広げる構成となっている。
部落解放同盟東京都連合会「部落解放・人権文化フォーラム2026」
URL: https://blltokyo.net/forum2026annai.html
「部落解放・人権文化フォーラム2026」開催案内
URL: https://blltokyo.net/images/forum2026.pdf
人権三法
URL: https://jinken-news.com/glossary/jinken-sanpou/
部落差別解消推進法
URL: https://jinken-news.com/glossary/buraku-sabetsu-kaisho-suishin-hou/
情報流通プラットフォーム対処法
URL: https://jinken-news.com/glossary/platform-provider-liability-law/

