9月23日は「手話の日」 山形県・文翔館を青色ライトアップ 手話施策推進法施行後初の啓発

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この記事のポイント

① 山形県は2026年9月23日、山形県郷土館「文翔館」を青色にライトアップし、「手話の日」「手話言語の国際デー」を啓発する。
② 2025年6月施行の「手話に関する施策の推進に関する法律」は、9月23日を日本の「手話の日」と法律上初めて定めた。
③ 手話を福祉サービスとしてだけでなく、ろう者らが使用する「言語」「文化」として保障することが、国際的な障害者の権利保障とも結びついている。

山形県
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1.山形県・文翔館を「青」にライトアップ

山形県は2026年9月23日、「手話の日・手話言語の国際デー」に合わせ、山形市の山形県郷土館「文翔館」を青色にライトアップします。

点灯は日没から午後9時までの予定です。

青色は世界ろう連盟(WFD)のロゴカラーに由来し、世界各地で公共施設やランドマークなどを青く照らす「Shine a Blue Light on Sign Languages!」の取組が行われています。

一見するとライトアップイベントですが、2026年の取組には従来とは異なる意味があります。

日本で「手話の日」が法律上定められてから迎える最初の9月23日だからです。

2.2025年に「手話施策推進法」が成立

2025年6月25日、「手話に関する施策の推進に関する法律」が公布・施行されました。

いわゆる「手話施策推進法」です。

同法第1条は、手話について「これを使用する者にとって日常生活及び社会生活を営む上で言語その他の重要な意思疎通のための手段」であることを前提としています。

そのうえで、手話の習得・使用、手話文化の保存・継承・発展、国民の理解と関心を高めるための施策を総合的に進めることを目的としています。

さらに第14条は、

「国民の間に広く手話に関する理解と関心を深める」

ため、9月23日を「手話の日」と定めました。

3.なぜ9月23日なのか

9月23日は、国連が定めた「手話言語の国際デー(International Day of Sign Languages)」でもあります。

国連総会が2017年に制定し、2018年から実施されています。

日付は、世界ろう連盟が1951年9月23日に設立されたことに由来します。

国連は、この日について、手話と言語的アイデンティティーを守ることが、ろう者の人権を実現するために重要だと説明しています。

日本の「手話の日」も、この国際デーと同じ9月23日に設定されました。

4.手話は「日本語を手で表したもの」ではない

手話について誤解されやすい点があります。

手話は、音声日本語を単純に手の動きへ置き換えたものではありません。

独自の語彙や文法体系を持つ自然言語です。

国連の障害者権利条約第2条も、「言語」には音声言語だけでなく「手話その他の非音声言語」が含まれると明記しています。

さらに第21条は、障害のある人が自ら選択するコミュニケーション手段によって情報を受け取り、伝えることができるよう、締約国に手話の使用を受け入れ、促進することを求めています。

つまり、手話を使えることは単なる「便利な支援」の問題ではありません。

自分が使いやすい言語で情報を得て、自分の考えを表現し、社会へ参加する権利に関わる問題です。

5.新法は教育にも踏み込む

手話施策推進法で注目すべきなのが学校教育です。

第13条は国と自治体に対し、学校教育において手話への理解と関心が深まるよう、児童・生徒が手話を学ぶ機会を提供するなど必要な施策を講じることを求めています。

これは、ろう児に手話を保障するという問題だけではありません。

聞こえる児童・生徒が手話を知り、言語の多様性やろう文化を理解することも含んでいます。

6.「通訳を置けば終わり」ではない

手話による情報保障というと、

「必要な場面に手話通訳者を置く」

というイメージが強いかもしれません。

もちろん通訳者の配置は重要です。

しかし手話を言語として保障するという考え方は、それだけではありません。

行政情報を手話で取得できること。

災害時に手話による情報が届くこと。

病院で意思を伝えられること。

学校で手話を使って学べること。

文化や芸術を手話で楽しめること。

国連障害者権利条約第30条も、手話やろう文化を含む障害者固有の文化的・言語的アイデンティティーを認め、支援することを求めています。

手話の日のライトアップは、その入口となる啓発活動です。

重要なのは、一日だけ建物を青くすることで終わらず、手話を必要とする人が日常生活のあらゆる場面で自ら選んだ言語を使える環境をどこまで整備できるかです。

2025年に成立した手話施策推進法によって、日本の手話政策は新たな段階に入りました。

出典

山形県「『手話の日・手話言語の国際デー』における普及啓発について」
https://www.pref.yamagata.jp/090004/syuwanohi.html

衆議院「手話に関する施策の推進に関する法律」
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/21720250625078.htm

参議院「手話に関する施策の推進に関する法律案」
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/217/meisai/m217100217009.htm

United Nations「International Day of Sign Languages」
https://www.un.org/en/node/97859

United Nations「Convention on the Rights of Persons with Disabilities Article 2」
https://www.un.org/development/desa/disabilities/convention-on-the-rights-of-persons-with-disabilities/article-2-definitions.html

United Nations「Convention on the Rights of Persons with Disabilities Article 21」
https://www.un.org/development/desa/disabilities/convention-on-the-rights-of-persons-with-disabilities/article-21-freedom-of-expression-and-opinion-and-access-to-information.html


関連用語

手話施策推進法
2025年6月施行。手話の習得・使用環境、手話文化、教育、研究、情報発信などに関する国・地方公共団体の施策を定める。
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/21720250625078.htm

手話言語の国際デー
国連が毎年9月23日と定めた国際デー。手話の重要性や、ろう者の言語的権利への理解促進を目的とする。
https://www.un.org/en/node/97859

障害者権利条約
障害者の権利を包括的に保障する国際条約。第2条で手話を「言語」に含め、第21条では手話の使用促進を定める。
https://www.un.org/development/desa/disabilities/convention-on-the-rights-of-persons-with-disabilities-html

ろう文化
手話を中心として形成・継承されてきた、ろう者の文化や歴史、価値観、芸術などを指す。

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人権ニュース編集部

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