「望まない孤独・孤立」をどう防ぐ 三重県が講演・トークイベント、2024年施行の推進法から考える「居場所」の意味

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この記事のポイント

① 三重県は10月23日、津市で孤独・孤立対策をテーマとした講演・トークイベントを開催する。
② 内閣府担当者の講演に加え、子ども食堂、美術、社会福祉など異なる分野の実践者が「新しいつながり」を議論する。
③ 2024年4月に孤独・孤立対策推進法が施行され、孤独・孤立は個人だけの問題ではなく、行政・民間団体・地域社会が連携して取り組む政策課題となっている。

三重県の孤独・孤立対策推進のための講演&トークイベント
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1.「まちで見つける 新しい“つながり”」

三重県は2026年10月23日、県立美術館で「孤独・孤立対策推進のための講演&トークイベント」を開催します。

県は、望まない孤独・孤立を予防するため、多様な居場所づくりや緩やかなつながりをつくる支援団体の連携、県民の理解促進を目的としています。

第1部では内閣府孤独・孤立対策推進室の担当者が政府の動向を講演。

第2部では、子ども食堂、美術作家、社会福祉士、県の地域共生社会担当者らが「まちで見つける 新しい“つながり”」をテーマに話し合います。

2.2024年から「孤独・孤立対策推進法」

日本では2024年4月、「孤独・孤立対策推進法」が施行されました。

法律は国や自治体だけでなく、当事者支援を行う関係機関や民間団体との連携を重視しています。

背景にあるのは、孤独・孤立が特定の人だけの問題ではないという認識です。

失業。

病気。

家族との死別。

子育て。

介護。

ひきこもり。

転居。

退職。

災害。

人間関係の変化。

人生のさまざまな局面で、誰でも社会とのつながりを失う可能性があります。

3.「一人でいること」自体が問題ではない

孤独・孤立対策で重要なのは、

一人で過ごしている人を一律に問題視しないこと

です。

一人で過ごすことを本人が望み、満足している場合もあります。

問題になるのは、本人が望んでいないにもかかわらず人とのつながりを持てず、必要な支援にもつながれない状態です。

三重県が今回「望まない孤独・孤立の予防」と表現しているのも、この違いを踏まえたものです。

4.政府は毎年全国調査を実施

政府は2021年から「人々のつながりに関する基礎調査」を実施し、孤独感や社会とのつながりの実態を継続的に把握しています。

2025年調査は5回目となりました。

継続調査が重要なのは、孤独が単なる個人の性格の問題ではなく、年齢、収入、就労、健康、家族関係など多くの社会的条件と結びつくためです。

5.2026年には重点計画も改定

政府は2026年7月、孤独・孤立対策の重点計画を一部改定しました。

重点計画は孤独・孤立対策推進法に基づき、政府がどのような施策を総合的に進めるかを定めています。

孤独・孤立対策は、福祉だけで完結する分野ではありません。

医療。

教育。

住宅。

雇用。

子育て。

高齢者支援。

地域づくり。

文化。

こうした複数の分野を横断して取り組む必要があります。

今回の三重県イベントに「子ども食堂」「美術」「社会福祉」という異なる分野の関係者が登壇するのも、その考え方と重なります。

6.「居場所」は建物とは限らない

孤独・孤立対策で頻繁に使われる言葉が「居場所」です。

しかし、居場所とは必ずしも常設の施設を意味しません。

子ども食堂。

地域サロン。

趣味の活動。

オンラインコミュニティー。

文化・芸術活動。

ボランティア。

何気なく立ち寄れる店舗。

人によって「つながりやすい場所」は異なります。

重要なのは、「支援を受ける場所」という看板を掲げることだけではありません。

支援を求めることに抵抗がある人でも自然に参加でき、その中から必要な支援につながる仕組みをつくれるかという点です。

7.「助けを求められない人」へどう届くか

孤独・孤立対策で最も難しい問題の一つが、支援を必要としている人ほど行政や支援機関へ自ら相談できない場合があることです。

制度を知っているか。

相談窓口まで移動できるか。

人に悩みを話せるか。

「自分は支援を受けてよい」と思えるか。

こうした障壁があります。

その意味で、日常生活の中に複数の緩やかなつながりを作ることは、孤独を直接「治す」のではなく、困ったときに完全に孤立しない社会をつくることにつながります。

三重県のイベントは一日の催しですが、本来問われるのはその先です。

地域の異なる団体同士がつながり、「どこか一つの窓口につながれば、必要な支援へ橋渡しされる」仕組みをつくれるかが、孤独・孤立対策の実効性を左右します。

出典

三重県「孤独・孤立対策推進のための講演&トークイベントを開催します」
https://www.pref.mie.lg.jp/TOPICS/m0323400174.htm

e-Gov法令検索「孤独・孤立対策推進法」
https://laws.e-gov.go.jp/law/505AC0000000045/

内閣府「孤独・孤立対策推進法」
https://www.cao.go.jp/kodoku_koritsu/torikumi/suishinhou.html

内閣府「孤独・孤立対策重点計画」
https://www.cao.go.jp/kodoku_koritsu/torikumi/jutenkeikaku.html

内閣府「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和7年実施)」
https://www.cao.go.jp/kodoku_koritsu/torikumi/zenkokuchousa/r7.html

関連用語

孤独・孤立対策推進法
孤独・孤立対策を総合的に推進するため、国や自治体の責務、関係者の連携、重点計画などを定めた法律。2024年4月施行。
https://laws.e-gov.go.jp/law/505AC0000000045/

孤独・孤立対策重点計画
孤独・孤立対策推進法に基づき政府が策定する計画。2026年7月にも改定された。
https://www.cao.go.jp/kodoku_koritsu/torikumi/jutenkeikaku.html

人々のつながりに関する基礎調査
政府が孤独・孤立の実態を継続的に把握する全国調査。
https://www.cao.go.jp/kodoku_koritsu/torikumi/zenkokuchousa.html

居場所
安心して過ごし、人との関係や社会参加につながる場。物理的な施設だけでなく、地域活動やオンラインなど多様な形がある。

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人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、裁判所、企業、公益団体、国際機関などが公表する一次情報を確認し、差別、子ども、障害者、高齢者、教育、福祉、司法・制度、外国人、ビジネスと人権などに関するニュース、制度解説、独自調査を発信しています。記事では出典を明示し、事実関係を確認したうえで、関連する法制度や統計、過去の経緯などを参照しながら、人権上の論点や社会的背景を整理しています。

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