1.松山市は2026年4月1日、「松山市手話言語条例」を施行した。
2.国でも2025年6月25日に手話施策推進法が施行され、国と地方公共団体の手話施策の法的基盤が拡大した。
3.条例制定後は、行政、医療、教育、災害などで手話を実際に利用できるかという実務面が課題になる。

松山市は2026年4月1日、「松山市手話言語条例」を施行した。条例は、手話が独自の文法体系を持つ言語であるとの認識を基に、手話への理解と普及、手話を必要とする人が利用しやすい環境を整えることを目的とする。市は条例の背景として、2006年に国連総会で採択された障害者権利条約が「言語」に手話その他の非音声言語を含めていることも示している。
国レベルでも制度が変わった。2025年6月25日に「手話に関する施策の推進に関する法律」が公布・施行され、手話を必要とする人による手話の習得・使用、手話文化の保存・継承、国民の理解促進などを国の施策として定めた。法律は本人の意思を尊重することや、手話の習得・使用に必要な合理的配慮が行われる環境を整える考え方も示している。
国法と松山市条例は同じ役割ではない。国法は全国的な基本理念と国・地方公共団体の責務を定める。それに対し、市町村条例は、市役所窓口、地域行事、学校、災害情報など住民生活に近い場面で施策を具体化する余地を持つ。手話通訳者を配置するだけでなく、どの場面で予約なしに利用できるのか、緊急時にどう伝えるのか、映像情報に手話を付与するのかなど、実務の設計によって利用可能性は大きく変わる。
障害者権利条約が示した変化は、ろう者を「情報を与えられる福祉の対象」とだけ捉えず、自ら用いる言語・コミュニケーションを選ぶ権利主体として捉えることにある。松山市が条例施行後に、手話通訳者数、相談件数、行政情報への手話アクセス、当事者参画をどこまで具体化するかを確認することで、理念条例にとどまらない制度の実効性を検証できる。
松山市「松山市手話言語条例」
URL: https://www.city.matsuyama.ehime.jp/kurashi/fukushi/shogai/sonota/shuwagengo20260401.html
内閣府「手話に関する施策の推進」
URL: https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/jsl.html
衆議院「手話に関する施策の推進に関する法律」
URL: https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/21720250625078.htm

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