大分市、人権と行政の困りごとを同時相談 10月に2会場

この記事のポイント

1.大分市は10月1日と20日、人権擁護委員と行政相談委員による「人権・行政困りごと相談所」を開設する。
2.差別、ハラスメント、いじめなどの人権問題に加え、国の行政手続やサービスへの苦情・相談も同じ会場で受け付ける。
3.住民自身が問題を「人権問題か行政問題か」と事前に分類しなくても相談できる点は、複数制度への入口を一本化する効果を持つ。

男性と女性の相談シーン

大分市は2026年10月1日に明治明野公民館、20日に佐賀関公民館で「人権・行政困りごと相談所」を開設する。いずれも午前10時から午後3時までで、相談料は無料、事前予約は不要。差別、セクシュアルハラスメントやパワーハラスメント、いじめ、体罰などの人権問題は人権擁護委員が、国の行政手続や行政サービスに関する困りごとは行政相談委員が対応する。

二つの相談制度は役割が異なる。人権擁護委員は法務大臣から委嘱され、法務局と連携して人権相談、人権侵犯事件の調査・救済、人権啓発などを行う。行政相談委員は、行政機関の業務に関する苦情や意見、要望などを受け付け、関係機関への連絡や改善につなぐ。相談者から見れば同じ「役所や制度についての困りごと」でも、利用する制度や対応できる範囲は異なる。

同じ会場に両制度を置く利点は、相談者が最初から問題を法的に正確に分類する必要がないことにある。例えば行政窓口で不適切な扱いを受けたという相談には、行政サービスへの苦情と差別的取扱いの双方が含まれる場合がある。職場や学校の問題でも、単なるトラブルなのか人権侵害を含むのかを本人が判断するのは容易ではない。まず話を聞いた上で適切な制度へつなぐ仕組みは、「相談先が分からない」ことによる利用断念を減らす役割を持つ。

ただし、人権擁護制度、行政相談、裁判、労働紛争解決などはそれぞれ権限が異なり、一つの相談所ですべての問題を法的に解決できるわけではない。必要に応じて専門機関へつなぐことが制度の重要な機能になる。大分市の合同相談所は、問題を抱えた住民がまず相談し、自分の状況に適した救済手段を探す入口としての意味を持つ。

出典

大分市「人権・行政困りごと相談所を開設します」
URL:https://www.city.oita.oita.jp/o078/kurashi/jinkenmondai/soudan20211109.html

法務省「人権擁護委員の活動~人権相談活動~」
URL:https://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken02_00008.html

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、裁判所、企業、公益団体、国際機関などが公表する一次情報を確認し、差別、子ども、障害者、高齢者、教育、福祉、司法・制度、外国人、ビジネスと人権などに関するニュース、制度解説、独自調査を発信しています。記事では出典を明示し、事実関係を確認したうえで、関連する法制度や統計、過去の経緯などを参照しながら、人権上の論点や社会的背景を整理しています。

人権ニュース編集部をフォローする
福祉司法・制度
シェアする
タイトルとURLをコピーしました