相模原市、企業向けLGBT研修 アウティング防止を職場実務へ

この記事のポイント

1.神奈川県、横浜市、相模原市が9月18日、経営者・人事担当者向けにLGBT研修をオンライン開催する
2.相模原市は2026年4月に職員ガイドラインを改訂し、職場対応やアウティング防止を行政内部でも扱っている
3.性的指向・性自認に関する侮辱や本人同意のない暴露は、職場ではハラスメント対策と接続する問題である

九都県市でLGBT配慮促進のための共通メッセージ

神奈川県、横浜市、相模原市は9月18日、県内企業や団体の経営者、人事担当者を対象に「職場とLGBT~すべての人が自分らしく働ける職場づくり~」をオンラインで開く。定員は50人、参加無料。LGBTに関する基礎知識、当事者が職場で直面する困りごと、企業側の対応を解説するほか、具体的な事例についてグループワークを行う。一般向けの理解促進講演ではなく、人事管理を担う側がケース対応を検討する構成となっている。

背景には、職場で性的指向やジェンダーアイデンティティを扱う際の問題が、単なる「配慮するとよい事項」にとどまらない事情がある。厚生労働省は、性的指向・性自認に関する侮辱的な言動や、本人の了解を得ずに性的指向などを第三者へ暴露するアウティングについて、職場のパワーハラスメントに該当し得ると説明している。性的な言動としてセクシュアルハラスメントの問題になる場合もあり、企業には相談体制の整備など法令に基づくハラスメント防止措置が必要になる。

相模原市自身も2026年4月、「性の多様性を知り、適切な対応をするための相模原市職員ガイドライン」を改訂した。市民対応や学校だけでなく「職場における配慮・対応」を扱い、市のウェブサイトでも、自身の性のあり方を誰にどこまで伝えるかは本人が決めることであり、本人の同意なく第三者へ伝えるアウティングを行わないよう説明している。行政が企業向け研修を共催する一方、自らの職場にも同じ課題を適用している点は、外部向け啓発だけとは異なる。

市では2020年4月から「相模原市パートナーシップ宣誓制度」も運用する。ただし、同制度は市が受領証などを交付する行政制度であり、婚姻と同一の法的効果を生じさせる制度ではない。パートナーシップ制度があることと、企業内で採用、配置、福利厚生、相談対応、個人情報の取扱いを適切に行うことも別の課題である。企業側では「LGBTを理解している」という理念表明だけでなく、誰が相談を受け、どの情報まで共有し、本人の同意をどう確認するかという運用まで決めておく必要がある。

9月18日の研修でグループワークが組み込まれる意味は、この実務部分にある。神奈川県、横浜市、相模原市が50人の経営者・人事担当者に対し、知識の説明だけでなく具体的ケースの検討まで行うことで、性的少数者への対応を抽象的な啓発から企業の人事・労務管理へ落とし込む構成となっている。

出典

相模原市「性的少数者(セクシュアル・マイノリティ)に関する取組」
URL:https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/shisei/1026766/1013001/1013003/1020931.html

相模原市「企業及び団体の経営者・人事担当者向け研修会」
URL:https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/shisei/1026766/1013001/1013003/1036095.html

厚生労働省「あかるい職場応援団 よくある質問」
URL:https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/qa/

相模原市「パートナーシップ宣誓制度」
URL:https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/shisei/1026766/1013001/1013003/1019227.html

人権ニュース編集部

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