1.青森県は「あおもり国際介護人材センター」を設け、外国人介護人材の確保から育成、職場定着までを一体的に支援している。
2.外国人介護職員向けに日本語講座や介護技術講座を実施し、日本語講座は初級・上級各30人、介護技術講座は各20人を募集する。
3.全国では外国人介護人材の受入れ経路が複数制度に分かれており、人材確保だけでなく相談、生活支援、権利保護を含む定着策が課題となる。

青森県は2026年7月24日、「あおもり国際介護人材センター」を設置し、外国人介護人材の確保、育成、県内定着を一体的に支える事業を始めた。公益社団法人青森県老人福祉協会に相談窓口を置き、外国人介護職員や受入れ事業所からの相談に対応するほか、送り出し国での情報発信、県内介護事業所とのマッチング、受入れ準備セミナー、日本語・介護技術研修などを実施する。県は8月18日、外国人介護人材関連の補助制度を含む情報を更新した。
研修は採用後の就労を意識した内容になっている。日本語講座は、来日1年未満を主な対象とする初級と、1年以上の外国人介護職員を対象とする上級を設け、いずれも定員30人、オンラインで各6回開催する。初級では日本語能力試験N4程度の復習、上級では介護現場で使われる用語などを扱う。介護技術についても、入門、基礎、応用、介護福祉士国家試験対策の講座を青森、弘前、八戸で開催し、原則各20人を募集している。現在募集されている日本語・介護技術講座の申込期限は8月20日である。
外国人が日本で介護職として働く制度は一つではない。厚生労働省は、EPAによる介護福祉士候補者、在留資格「介護」、技能実習、在留資格「特定技能」の4経路を示している。それぞれ在留要件や日本語能力、就労可能な期間、介護福祉士資格との関係が異なるため、受入れ事業所側にも制度を区別した労務管理が必要になる。国は2026年度に必要な介護職員数を約240万人と推計しており、2022年度比で約25万人の増員が必要としているが、外国人を単に不足人数を補う労働力として扱えば、採用後の定着やキャリア形成という問題が残る。
介護現場では業務範囲も変化している。2025年から一定の要件を満たす技能実習生や特定技能外国人について訪問介護への従事が可能となり、事業所には事前研修、一定期間の同行、キャリアプランの作成、ハラスメント相談窓口や緊急時の連絡体制などが課されている。利用者宅で単独勤務する場面では、日本語能力だけでなく、困った時に相談できる経路や職員自身の安全確保が不可欠になる。あおもり国際介護人材センターが相談、研修、交流を同じ事業の中で扱う理由も、採用後のこうした実務にある。
技能実習制度は育成就労制度への移行が進み、厚生労働省は新制度を2027年4月1日に開始する予定としている。現在の青森県事業には技能実習生も対象として含まれるため、制度移行後には研修内容や相談対象を新しい在留・就労制度に合わせる作業も生じる。県内で何人がセンターを利用し、採用後の離職や日本語・資格取得、生活上の相談にどの程度つながったかまで確認できれば、人材の「確保」だけでなく「定着」を掲げた制度の実効性を判断できる。青森県はあおもり国際介護人材センターを通じ、外国人職員と受入れ事業所の双方を継続的に支援する。
青森県「外国人介護人材の確保に関する取組」
URL:https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kenko/koreihoken/gaikokuzinkaigozinzai.html
厚生労働省「外国人介護人材の受入れについて」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28131.html
厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41379.html

