米国「第三国移送」拡大 アムネスティがノン・ルフールマン違反を警告

この記事のポイント

1.アムネスティは、米国から出身国と関係のない第三国へ移送する政策が2025年以降拡大していると報告した。
2.6月12日にはトルコ、アフガニスタン、イランなど出身の17人が中央アフリカ共和国へ送られたとしている。
3.米国法上の第三国送還権限と、迫害や拷問の危険がある国への送還を禁じるノン・ルフールマン原則は分けて検討する必要がある。

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アムネスティ・インターナショナルは8月12日、米国が移民や難民を出身国ではない「第三国」に移送する政策について、アフリカ諸国に受入れへの加担を拒否するよう求めた。アムネスティによると、6月12日にはトルコ、アフガニスタン、イランなどの出身者17人が米国から中央アフリカ共和国の首都バンギへ移送された。移送監視団体の情報として、17人のうち1人を除いて出身国への送還から米国内で法的保護を受けていたとも説明している。

「第三国への送還」それ自体が直ちに国際法違反になるわけではない。米国法には、一定の場合に本人の出身国以外の国へ退去させる仕組みが存在する。問題になるのは、移送先やその先の再送還によって迫害、拷問、生命・自由への重大な危険にさらされる場合に、本人がその危険を主張し審査を受ける機会が確保されているかという点だ。難民法上のノン・ルフールマン原則は、形式上どの国を経由させるかではなく、結果として危険な国へ送り返すことを防ぐ役割を持つ。

米国ではこの手続をめぐり司法判断も続いてきた。連邦地裁は2025年4月、第三国への移送前に移送先の通知と、恐怖に基づく救済を申し立てる機会を保障するよう命じたが、連邦最高裁は同年6月、その差止命令の効力を暫定的に停止した。ここで注意したいのは、最高裁のステイは第三国移送政策全体を本案で「適法」と確定した判決ではないことだ。移送権限の存在と、個別の移送手続が国際法・国内法上十分かは別の論点となる。

アムネスティは、米国が2025年2月以降30カ国以上と第三国移送に関する協定を結び、サハラ以南のアフリカでは13カ国との協定が確認されたと主張している。これらの数字や協定内容は同団体の調査に基づくもので、すべての政府間合意が公開されているわけではない。したがって今後の検証では、移送人数だけでなく、本人への事前通知、異議申立ての機会、受入国での法的地位、さらに再送還の有無まで追う必要がある。

出典

アムネスティ日本「米国の『第三国移送』 アフリカ諸国は加担を拒否すべき」
URL:https://www.amnesty.or.jp/news/2026/0812_11060.html

米国連邦最高裁 Department of Homeland Security v. D.V.D.
URL:https://www.supremecourt.gov/opinions/24pdf/24a1153_l5gm.pdf

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